岐阜市

岐阜市の中心街から少し離れた静かな路地裏にある一軒の建物。伊藤仁規子さんが営むカフェ『茶えずり』は、いつも和やかな空気に満ちている。

ショーケースを彩るのは、バニラ、チョコレート、抹茶、オレンジチョコレート、ヘーゼルナッツの定番5種と、コーヒーやホワイトチョコなど季節ごとに登場する限定カヌレ。端正で美しく、ころんとしたかわいらしいフォルムに思わず頬が緩んでしまう。

令和4年に本郷町から菅原町の古民家へと移転した雑貨屋『koti』。家で過ごすのが大好きだという店主・西村さんが理想とするのは「家時間を大切にする女性のための雑貨屋」だ。

カウンターでじっくりワインを味わう男性。目の前に広がる料理とともにおしゃべりを楽しむ女性たち。『ワイン食堂ながた』では、皆が肩の力を抜いて食事を楽しんでいる。次々とオーダーが入るキッチンでは、店主の永田崇さんが時折客に声を掛けながら、手際よく腕を振るう。

岐阜市南部の郊外。少し薄暗くなり始めた黄昏時、大通りに面したテナントの一角に温かな明かりが灯ると、ぽつりぽつりと人が集まってくる。餃子専門店『ひょうたん』だ。

築110年を超える、趣のある古民家。引き戸を開けると、オリーブオイルとガーリックの香りがふわりと鼻をくすぐる。ここは『イタリア文化食堂 ふぉすき』だ。

かつて城下町として栄えた岐阜市本町。“岐阜町”としての風情を残すこの地に店を構えて150年余り。ゆば専門店の『ゆば勇商店』では訪れた客が今夜の一品にと、生ゆばや乾燥ゆばを次々と手にしていく。

暖簾をくぐり、扉を開けると「はい、いらっしゃい！」と女将が温かく迎え入れてくれる。カウンター席で旬魚の握りを頷きながら味わう男性、大きな海鮮丼を前にうれしそうな家族連れ。店主の清水宏隆さんは常連客と談笑しながら寿司を握る。『丸福寿し』は今日も笑顔に溢れている。