PENGUIN BOOTS+
ペンギンブーツプラス
ものをつくる喜びを自分の手で感じて
高度成長期は全国有数の繁華街だった柳ケ瀬商店街。しかし、平成時代の訪れとともにシャッターが目立つようになった。一方で、近年は遊休不動産を活用した店舗が各所でオープンするなど、時代に合わせたまちに生まれ変わりつつある。
「ここ何年かでまちの雰囲気は変わってきました。感度の高い若い店主さんも増えていて私も刺激を受けています」と話すのは、岐阜市で生まれ育ち、イラストレーターとして活躍するすぎやまえみこさん。これからの柳ケ瀬に可能性を感じ、平成29年に商業ビル「ロイヤル40」の2階に店舗兼事務所『PENGUIN BOOTS』を構えた。
当初は、ファッションデザイナーの夫が手掛けたオリジナルのアパレルや布地などを販売していたが、隣にあったシルクスクリーン印刷の作業場兼ショップ『スロメ』の移転を機にその事業を受け継ぐことに。そして令和2年に、Tシャツやトートバッグなどにプリントができるワークショップスペース『PENGUIN BOOTS+』として再出発することとなった。
シルクスクリーン印刷の仕組みは極めてシンプルだ。メッシュ状の版にインクが通る部分と通らない部分をつくり、スキージーと呼ばれるヘラでインクを押し出して布や紙などに印刷する。単純明快な技法だが奥が深く、アイデア次第で表現の幅を無限に拡張できる。また、自分の手で何かを創り出す達成感や満足感がその場で感じられる。アンディ・ウォーホルや横尾忠則も愛したこのスタイルには、ものづくりの醍醐味が凝縮されている。そして、制作の構想や仕上がった作品について他者と語り合う時間には得も言われぬ楽しさがある。きっと、まちなかにはこういったつくる喜びを分かち合える場所が必要だったのだ。
初心者や観光客、子どもから大人まで。幅広い層の人たちの何かを形にしたい思いを丁寧にサポートするすぎやまさん。「作家自身が出店するサンデービルヂングマーケットが定着し、もともとここに『スロメ』があったおかげで、足を運んでくれる方が増えてきました。近所にハンドメイドスタジオ『HUKIN』もあるので、柳ケ瀬をものづくりを楽しむ人でにぎわう場所にしていきたいですね」。すぎやまさんは今日もビルの2階からまちの様子を眺めながら、新たな未来を思い描いている。
基本情報
住所 | 岐阜市日ノ出町1-20 ロイヤルビル2F |
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TEL | 080-7219-9748 |
営業時間 | 13:00~19:00 ※製版の最終受付は18:00 ※予約優先 |
定休日 | 水・木曜 |
URL | https://penguin-boots.com/ |
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掲載した情報は2024年3月8日時点のものです。