ワイン食堂ながた
ワインと料理を楽しむ憩いの場
カウンターでじっくりワインを味わう男性。目の前に広がる料理とともにおしゃべりを楽しむ女性たち。『ワイン食堂ながた』では、皆が肩の力を抜いて食事を楽しんでいる。次々とオーダーが入るキッチンでは、店主の永田崇さんが時折客に声を掛けながら、手際よく腕を振るう。
子どもの頃、ダイニングバーを営む父が店に立つ姿を目にし、強烈な憧れを抱いたという永田さん。いつしか憧れは夢へと変化。東京の料理店で修業を積み、料理の技術を磨いた。そして、ダイニングバーの移転を機に『ワイン食堂ながた』と名を改め、親子2人でオープン。15年目を迎えた今は、永田さんが1人で店を任されている。
料理のジャンルはイタリアンやフレンチ、スパニッシュなど多岐にわたり、選ぶ楽しみがある。数あるメニューの中でも、肉料理はワインとの相性がすこぶる良い。「肉は種類や部位で特徴が異なります。それぞれの良さを生かすために火加減を見極め、調味料は最小限に留めています」。シンプルな料理こそ、プロの腕の見せ所だ。塩とコショウのみで味付けし、ブルーベリーソースを添えた「骨付き子羊のロースト」は、フライパンとオーブンで加熱後、余熱でじっくりと火を通す。肉汁をたっぷり閉じ込めたラム肉は、驚くほど柔らかく、蓄えられた旨みが口の中で溢れ出す。
選ぶ楽しみはバリエーションに富むワインリストからも感じられる。「ワインに対する敷居の高いイメージを払拭できればと思っているんです。値段を気にすることなく、自由に飲んでもらえたらうれしいですね」。フランスやイタリアはもちろん、南アフリカやチリといった新世界も取りそろえるラインアップには、初心者からワイン通まで受け入れる懐の深さが伺える。
5年前から、新たなきっかけ作りになればとランチ営業も始めた。根強い人気を誇る「名物ラザニア」や日替わりのパスタを目当てに、家族連れやサラリーマンなども訪れるようになり、客層はぐんと広がった。昼と夜では違った賑わいを見せるが、多くの客にとって憩いの場であるこの店の居心地の良さは変わらない。
「ありがたいことに3世代に渡って来てくれる方や、転勤しても変わらず顔を出してくれる方もいるんです。どんな時でも“おかえり”と迎えてあげたいですね」。ここに来れば、永田さんがまとう温かい空気が優しく包み込んでくれる。だからきっと、故郷に帰ってきたような不思議な感覚にとらわれるこの場所に赴き、“ただいま”と扉を開けたくなるのだろう。
基本情報
住所 | 岐阜市八ツ寺町1-1 |
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TEL | 058-266-7080 |
営業時間 | 11:30~14:00(LO13:30)、18:00〜23:00(LO22:30) |
定休日 | 火曜、日曜 |
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掲載した情報は2023年8月25日時点のものです。