カルチャー

「ほら、活版印刷っていいでしょう。時々、この文字の美しさに、うわーって。自分でも惚れ惚れしちゃうんです」。刷り上がった名刺を愛おしそうに指で撫でる直野香文（かふみ）さん。彼女は実に朗らか。築120余年の町家に住む兄が、近所の紙問屋から活版印刷の道具一式を譲り受けて、『ORGAN活版印刷室』を立ち上げたのは6年前のこと。

実用性と遊び心のある器や生活道具が並ぶ店。自宅3階を開放した、風が吹き抜ける心地よい空間。

伊奈波通りから北へ入った静かな通りに今年１０月、カフェ＆和雑貨店「空穂屋」がオープンした。築１００年の古民家を再生。「うなぎの寝床」と呼ばれる京町家の典型的な間取りを生かした造りは、外観からはわからない情緒あふれる贅沢を内に秘めている。

あなたは街角にあるギャラリーを覗いたことがあるだろうか。あるいは、芸術には興味がないからと、素通りしてしまうだろうか。

美江寺公園の北西にある『加藤画材店』。いかにも画材屋らしい店内の1階。幅狭な通路の両側には、筆や絵の具、ペンなど種々の商品が並ぶ棚。