若き店主の心意気を感じる『蕎麦とゴハン72% nananii』(岐阜市)
今年6月に岐阜市粟野にオープンした『蕎麦とゴハン72% nananii』。ありそうでなかったタイプのそば屋との噂を聞き、取材に行ってきました。
気取らず、カジュアルにそばを楽しめる店
『蕎麦とゴハン72% nananii』があるのは、山県市に程近い岐阜市のほぼ北端。岐北厚生病院から南へ車で2、3分ほど走ったテナントの一角です。
目印は大きな1枚板の看板。店主が岐阜の市場で板を仕入れ、友人がそれを手彫りで仕上げてくれたそう。シルバーの外壁とのコントラストも良い感じです。
暖簾をくぐった先、コンクリート造りの店内は外から見るよりも広く感じます。向かって左手にテーブル席と座敷席、右手にはカウンター席もあり、さまざまなシチュエーションで利用できそう。そば屋と聞くと、格式のある日本家屋で食べるイメージもありますが、カジュアルな雰囲気に親しみやすさを覚えます。
「写真はちょっと苦手ですね(笑)」とはにかむのは、スタッフと一緒に黙々と仕込みをするオーナーの加藤隆弘さん。奥三河で生まれ育ち、大学進学を機に岐阜市に移住。尊敬する先輩から“店をやるなら27歳までに”とのアドバイスもあり、市内のそば屋などでの修業を経て、27歳の誕生日目前に開業しました。目指したのは、老若男女問わず気軽にそばが楽しめる店だそうです。
店内には製麺機があり、ここで毎日手打ちそばが作られています。この店では、こねて成型した生地を一晩寝かせるのがポイントとのこと。時間を置くことで、粉と水がなじんで麺の風味が増すだけでなく、ゆでた時に湯の中で麺が踊り、くっつきにくくなるそうです。
伝統的な定番メニューに加え、新感覚のそばを提案
お品書きには、かけそばや花巻そばなど、そば屋らしい一品が並ぶ中、気になったのは店名を冠した「nananiiそば」。卵黄や天かすなどに加え、炙りチャーシューやニンニクチップなどをトッピングし、ごま油を和えたオリジナルメニューで、油そばの要素をミックスしたような新感覚の冷やしそばです。小皿に入ったお酢をかけると、まろやかな酸味が加わって味変が楽しめます。
こちらは夜限定の定食メニュー。冷やしたぬきそばにご飯とかしわ天、小鉢も付いてボリューム満点です。冷したぬきそばは、コシのある麺に甘さを控えたキリっとした味わいのつゆが好相性。外はカリっと、中はしっとり柔らかな食感が楽しめるかしわ天は、揚げの技術が光ります。
夜メニューは、定食以外に「とろろふわふわ焼き」や「牛すじどて煮」など酒の肴にもぴったりな一品メニューがそろうほか、店主の出身地である奥三河の名酒「蓬莱泉 空」などお酒のラインアップも充実しています。
最後に店名の由来を加藤さんにうかがうと「万人受けを目指しすぎない。そして、平均が3、4割といわれる飲食店のリピート率を大きく上回りたい。この2つの思いを汲んで、先輩が名付けてくれました」とのこと。100%の人を満足させようと思うとかえってつまらないものになってしまうというのも妙に納得できますし、高い目標に挑んでいく加藤さんの姿勢には頭が下がります。
今回のブログで紹介した以外にも、昼限定の「牛すき丼」や「自家製そばアイス」など気になるメニューがたくさんありますので、ぜひ足を運んでみてください!
『蕎麦とゴハン72% nananii』の基本情報
住所 | 岐阜市粟野東4-27 |
営業時間 | 11:00~LO14:30、17:00~LO21:00 ※ドリンクはLO21:30 |
定休日 | 水曜夜、木曜 |
TEL | 080-3665-0072 |
駐車場 | 共同20台 |
Instagram | @nananii.72 |