暮らしを彩る手仕事雑貨を扱う『QQ実験所』(岐阜市)
岐阜市長良福光に日本や世界各国のアイテムを取りそろえる雑貨屋がオープンしたと聞いて、取材に行ってきました!
ユニークな店名『QQ実験所』の由来
2022年5月1日にオープンした『QQ実験所』。街道沿いの町家を活用した建物で、場所は人気のパン喫茶「円居」の向かい。他にも周辺には、川原町や「長良川うかいミュージアム」、「&n(アンドン)」など、散策にぴったりなスポットがたくさんあります。
店に入ると迎え入れてくれたのは、店主の片山輝(あきら)さん・千鶴さん夫妻。二人は東京で15年間、手仕事雑貨や生活道具を卸す荒物問屋で働いていました。いつか独立したいと考えていたところ、以前から交流のあった「円居」の店主・門脇さんの紹介で、現在の物件と出合ったのだそう。建物はもともと改装されていて、雰囲気も理想通り。こんなぴったりな場所はなかなかない!と運命を感じた岐阜で店を構えることにしました。目指しているのは、“気持ちが自由になる店”。「こうしなきゃいけないという先入観にとらわれずに、ラフにやっていきたいですね。お客さんにもそんな気持ちで楽しんでもらえたら」。
店名の由来について聞いてみると、「“QQ”は、タピオカとか餅とか、モチモチした食感を指す台湾の言葉なんです。この響きがなんとなく好きで “QQ”をつけようかなって。“実験所”をつけたのは、この先ここが何屋になるかわかんないから。人生、実験してるので(笑)」。気負いがない自然体の二人の言葉に、なんだか不思議と気持ちが明るくなります。
素朴な日用品から、日常を楽しくする“へんてこ”なものまで
昔ながらの商店を思わせる店内には、うつわやかご、荒物、無添加の調味料など、職人や町工場によって誠実に作られた素朴な日用品が並びます。商品は、二人が国内外の作り手を訪ねて見つけてきたものや、仕入先に足を運んで選んできた確かなもの。中には愛嬌のある“へんてこ”なグッズも。未知なるものとの思いがけない出会いを楽しめます。
最近入荷したイチオシの商品は、長野県安曇野市にある「藁や」のわら細工。無農薬の稲わらを使って丁寧に編まれたわらかごや鍋敷き、小さなほうきは、柔らかな風合いが魅力です。わらの素朴な香りに癒やされます。
こちらは長野県特産のリンゴの木を持ち手にした、わらりんごかご。ゆるやかなフォルムがなんともかわいらしいです。「和のものにこだわらず、スパイスの瓶やカレーのナン、パンやお弁当を入れるのもよいと思いますよ」と千鶴さんが教えてくれました。見立て次第で、いろいろな使い方ができ、生活に幅広く取り入れられるのですね。新しい発見です!
私が気になったのはこちらのサンダル。紙ひもを使って手編みで作られているのだとか!整いすぎていない、温かみのある形は、使えば使うほど愛着がわいてきそうです。はだしでもさらさらで履き心地が良く、わら草履より丈夫で機能性もばっちり。
また、店内には雑貨だけでなく、各地から集めたよりすぐりの食品も取り扱っています。おすすめは、瀬戸内海で採れた「やまくに」のいりこ。焙煎された上質なカタクチイワシを手作業で選別したいりこは、パリパリ食感と濃厚な旨味がクセになります。「水に浸けておくだけで上品なだしを作れますし、おつまみとしてもぴったりです」と輝さん。これはぜひ試さないと!
他にも、インドのグラスやケニアの牛骨ボタン、日本の竹かごや焼き物など、国内外の個性的な雑貨がずらり。コンパクトな空間ながらも、あちらこちらに魅力的な品があって、見ていると時がたつのを忘れてしまいそうです。
人の手で作られた温もりが感じられる “人間らしいもの”は、家に置いてあるだけで気持ちを豊かにしてくれます。暮らしに永く寄り添うお気に入りの一品を『QQ実験所』で見つけてみては。もし使い方がわからないようなものがあれば、片山さんに気軽に聞いてみてくださいね。
『QQ実験所』の基本情報
住所 | 岐阜市長良福光2621-1 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 月・火、木曜 |
TEL | 058-227-8215 |
駐車場 | 共同5台 |
WEB | https://www.qq-jikkenjo.com/ |
@qq_jikkenjo |