『川崎文具店 懐憧館』で楽しむ、インクと万年筆の世界(大垣市)
大正12年創業の文具店が、インクと万年筆にどっぷり浸れる新店舗をオープン。aun編集室の中で一番文具が好きな私が行ってきました!
大正ロマンをイメージした、趣味を追求できるサロン
大垣駅から徒歩6分の場所にある『川崎文具店』。本店の横にある洋館をイメージした建物が、9月にオープンした「懐憧館(かいどうかん)」です。1階は文具コーナー、2階はカフェスペースになっており、5代目の川崎紘嗣さんが、趣味の世界をとことん楽しんでもらいたいという思いから始めました。「お持ちのペンを持ち寄って皆さんで会話を楽しんでいただくサロンです。店内は大正時代をイメージしていて、日本古来の懐かしさと西洋の憧れを表現しました」と川崎さん。
こだわりはビリヤードテーブルと照明。3つのライトがテーブルの中央に置かれたペンの影を消し、その美しさを最大限に引き出してくれるのだとか。趣味がビリヤードということもあって配置したそうですが、川崎さんのセンスが光ります。
自分に最も合うペンやインク、紙を探し求めて、地元民はもちろん、全国各地から客が訪れます。「国内でこんなにもインクと万年筆の品ぞろえが抜群で、店主の知識量が豊富なのはここだけ」と常連さんも太鼓判を押す、まさに文房具愛好家の集う場です。
豊富なラインアップから見つかる、お気に入りのもの。
取り扱っている万年筆は50種類・200本。1本300円と手軽なものから、10万円を超える高級品までさまざまです。どんな価格帯がよいか、どんなものが自分に合うか…。迷ってしまいますが、川崎さんに聞けばしっかり教えてくれるので、初めて購入する方も安心して万年筆の沼に飛び込めます◎。
さらにインクはなんと500種類。色合いや書き味の良さなどで選んだ国内外のインク150種類に加え、川崎さん自身が製造するオリジナルインク350種類がラインアップ。全てのインクが試し書きできるのもうれしいポイントです。
今回私が気になったのは、川崎さんが調合した「インペリアル敷島」シリーズ。テーマは和歌、インク名には枕詞が付けられています。例えば「あまのはら」という青いインクは、「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」という古今和歌集の和歌が題材です。三笠山に昇った月のまわりの夜空をイメージしたそうで、情景が浮かぶような淡い青が素敵です。ストーリーを聞くことで愛着を持てますし、さてこのインクで何を書こうかなとイマジネーションを広がります。
フルボトルだと高価なものが多いし、使い切れるか不安という方には、シェアインクがおすすめ。なんと全種類量り売りで買うことができるんです。気になるインクを少量から試すことができるのはとても魅力的ですね。
まるでインクの調合体験!?一風変わったオリジナルドリンク
2Fはカフェスペース「SOMETHING LIKE THAT」。気兼ねなくゆったり過ごせる空間で、万年筆をイメージしたコーヒーや、インクから着想を得たオリジナルドリンクなどがいただけます。
中でも一押しなのは「飲ク書クテル(インクカクテル)」。今回は一番人気のオリジナルインク「三途川」を再現したドリンクを注文しました!ストロベリーシロップの入ったソーダにブルーラズベリーシロップを入れて混ぜると、あら不思議、赤から青に!「青く深い川の護岸に赤い彼岸花が咲いていて、それが川面に写っている。そんな情景をイメージして調合した「三途川」をドリンクでも楽しめたらなと。1カ月間試作を重ねて、甘すぎずすっきりとした味わいを追求しました」。きれいに混ざり合う色にうっとり。完成度が高く本物のインクのようでした!
「万年筆は自分の書き癖を吸収して形状記憶するペンなので、相棒として育てていくのも楽しいですし、より達筆に見せてくれるので自分の字が好きになり、自己肯定感も高まります。“字が下手だし、万年筆なんて字が上手な人が使うもの”というイメージを持つ方にこそ試していただきたいですね」と川崎さん。
私も自分だけの1本を育てたくなりました!初心者から愛好家まで楽しめる場所ですので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!
『川崎文具店』の基本情報
住所 | 大垣市桐ケ崎町64番地 |
営業時間 | 懐憧館/10:00~18:00 SOMETHING LIKE THAT/ 水、土・日曜 10:00~18:00(LO17:00) 木・金曜 13:00~18:00(LO17:00) |
定休日 | 月・火曜(祝日の場合は翌日) |
TEL | 0584-78-4223 |
駐車場 | 提携駐車場有り |
URL | https://kawasaki-bunguten.com/ |
@kawasakibunguten |