アノ人に会いにゆく。vol.7~造形作家 こうのえみさん~
aun編集室のメンバーが、岐阜の気になる人に会いに行ってインタビューする企画「アノ人に会いにゆく。」第7回は瑞穂市在住の造形作家・こうのえみさん。昨年の12月8日から12日まで岐阜市の「ギャラリーマナンティアル」で開催されていた個展「森の扉のむこう側」の最終日にお邪魔しました。
幼き頃の夢の続きをカタチに
現在Instagramのフォロワーが1.6万人を超え、今や人気造形作家として活動するこうのえみさん。出産を機に勤めていた会社を退職し、子育ての合間に趣味として始めたアクセサリー作りがきっかけで、平成27年から本格的に活動を開始しました。現在は、『森の扉の向こう側』と題した作品を制作。緻密に作られた森や家並みなどのミニチュアで表現された物語性のある世界観に多くの人たちが魅了されています。
--『森の扉の向こう側』という作品を作り始めたきっかけは何ですか?
こうのさん:小学校2年生のときに見た夢がきっかけです。1人で森の中を歩いていると、目の前に現れた木の幹に小さな扉を見つけました。私は扉の向こう側が気になりドアノブに手を伸ばしたんですが、その瞬間に目が覚めてしまって…。その後もなかなかこの夢のことが忘れられずにいました。
--作品を通してその夢を表現しているんですか?
こうのさん:そうです。実は子どもの頃、お菓子の空き箱で夢の世界を再現しようとしたこともあったんです。でも、折り紙や粘土を使ってもうまく作ることができませんでした。その後、絵や映画、写真などのどこかに求めている世界があるのではないかと思い、いろいろな美術館を訪れては探してみたんですがどこにも見当たらなくて。大人になってからやっと、これは私の心の中にしかない景色だから、私が創り出すしかないんだ!と気付いたんです。そうして、『森の扉の向こう側』の制作を開始しました。
画廊での個展に初挑戦
--念願叶っての画廊での個展だそうですね。ギャラリーを覗くと、はっと息をのむようなすてきな景色が広がっていて驚きました。
こうのさん:ありがとうございます。そう言っていただけてとてもうれしいです。皆さんに作品を見てもらったときに「わぁ!すごい!」って思っていただけることが一番の原動力になるので、楽しみに来てくださるのは本当にありがたいです。
--どの作品も素晴らしいですが、中でも特にお気に入りなのはどれですか?
こうのさん:この大きなお城ですね。これはこの個展の開催が決まったときに、今まで作ったことのない大きさの作品で世界観を伝えたいと思い、制作したものなんです。一番のポイントは階段。目でなぞりながら階段を上ったり下ったりして楽しんでいただいても面白いのかなと思います。
--ライトアップされていると、より一層華やかで良いですね。作品はいつもどのように制作されているんですか?
こうのさん:まず、木材をブロック状に切ってから、積み木のように重ねていって大体の形を作るんです。その後は、削ったりさらに重ねたりして微調整。土台ができたら、階段やドア、窓など小物の大まかな位置を決めていって、肉付けをしていきます。ちなみに窓は一つ一つ焼きペンというコテのようなもので焼いてから、アクリル絵の具で着色をしているんですよ。
--いろいろな素材を駆使しながら、細かいところまでこだわって作られていて本当に驚きなのですが、制作期間はどのくらいかかるんですか?
こうのさん:積み木を始めてから仕上がるまでは半月ほどです。一度作業を始めるとすごく集中しちゃって、夕飯の献立が考えられないくらいもぬけの殻になります(笑)
--これだけ大切に作られている作品ですが、見てくださる方へ届けたい想いはありますか?
こうのさん:人それぞれ、その人自身が感じるままに受け取っていただけたらと思います。作品を見てわくわくしたり、想像を膨らませたり。時には、疲れている人にとっての癒やしになれたらうれしいです。そして子どもたちには、私のように諦めずに挑戦し続けていれば、いつか夢は必ず叶うということを伝えたいですね。
--最後になりますが、ギャラリーでの個展を終えての感想をお願いします。
こうのさん:私が憧れていた画廊での個展にたどり着けたのも、皆さんがこれまで支えてくださったおかげです。本当に皆さんには感謝しています。2年後、またこの場所で個展を開催することが決まっているので、それに向けてさらに楽しんでいただける世界を創れたらと思っています。
現在、こうのさんの作品は関ヶ原町の「Polku」や愛知県の「@home」、淡路島の「山櫻」、福岡県の「teshigotoya ねむの木の豆」で購入することができます。中でも「Polku」は、まだオープンして間もない店なので皆さんにもっと知ってもらいたいそう。ぜひ足を運んでみてください!また、Instagramでも作品を発表していますので、こちらも要チェックです♪
『造形作家 こうのえみ』さんの基本情報
@twin_emi |