亡きシェフの思いをつなぐ『DAKOTA cafe t.b』で楽しむ体に優しい料理たち(岐阜市)

※掲載内容は2022年8月25日時点のものです。

昨年末惜しまれつつ閉店した茜部の人気フレンチレストラン「tréfle branc(トレフルブラン)」。シェフのご親族が今年5月より新たな場所でカフェを始められたとの噂を聞きつけ、早速お邪魔してきました。

 

フレンチシェフだった兄の意志を受け継ぐカフェ

場所は岐阜中央郵便局の真向かいにある花屋「ストロベリーフィールズ」の2階です。

店内に足を踏み入れるとブルックリンスタイルの落ち着いた空間が広がります。ビートルズの写真やギターが壁一面に飾られ、ビートルズファンにはたまらないはず!奥には半個室の一人掛けのソファ席があり、誰にも邪魔されないゆっくりとした時間を過ごせます。フリーWi-Fiもあるので、コワーキングスペースとしてもおすすめです♪

厨房の片隅に飾られた兄・裕長さんの写真がコーヒーを淹れる麻樹子さんを見守ります

店主の安達麻樹子さんは、1階ストロベリーフィールズのオーナーの奥様であり、「tréfle branc」のオーナーシェフ・安達裕長さんの妹さんです。長年、歯科衛生士として勤めていましたが、裕長さんの病気を機に飲食業へ足を踏み入れる決意をしたそう。
「本当は兄夫婦と一緒にやるはずだったお店なんです」。麻樹子さんが胸の内を話してくれました。

料理一筋の真面目な性格だった裕長さんの作るフレンチ料理は多くの客を虜にしていました。奥様の美枝さんと二人三脚で店を回し、10年目を迎えた2年前の9月、脳内に腫瘍が発覚。視野障害を起こし、徐々に料理を作ることが難しくなってしまいました。それでも「おいしいコーヒーを淹れたい」と密かにコーヒーを淹れる練習を始めていたのだそう。その思いを知った麻樹子さんの旦那様がストロベリーフィールズの2階でカフェを開くことを提案。オープンに向けて準備を進めましたが、昨年6月に末期のすい臓がんが発覚。12月末にtréfle brancは閉店し、カフェのオープンを待たず翌年1月に裕長さんは逝去されました。
「『DAKOTA cafe t.b』の“t.b”はtréfle brancから取ったんです。あのお店は兄が生きた証でもありました。その兄の遺志を受け継いで、残せる場所を作りたかったんです」。麻樹子さんと一緒に美枝さんも店に立ち、少しずつtréfle branc時代のメニューも提供していこうと奮闘中です。

パンから手作り。野菜たっぷりのホットサンド

麻樹子さんは体に優しくおいしい食事を目指して、素材は地場のもの選んでなるべく手作りし、無添加にこだわるメニューを提供しています。
ランチのメインはホットサンドの他、カレー、ナポリタンから選べます。今回は麻樹子さん一押しのホットサンドをセレクト。あんバターや期間限定のものまで気になるメニューがたくさん!「いろいろ選べた方が楽しいでしょ!」とにっこり微笑む麻樹子さん。

本日のランチ/1,000円(税込)

「本日のランチ」は、ホットサンドをメインに、ピクルス、サラダ、オムレツなどのデリたっぷりのプレートに、温かいチキンのトマト煮込み、冷製コーンスープ、そしてデザートはオレンジゼリーとりんごケーキの2品という盛りだくさんの内容!野菜もたっぷりで健康的です♪
「体を壊してから食事を変えても意味がないの。体に優しい食事は病気にならない体を作ることにつながると思うんです。食べて元気になってもらえたら嬉しいです」。麻樹子さんの優しい思いが込められているんですね。

ちなみに、トマト煮込みと、サラダのにんじんドレッシングはtréfle brancのレシピを元に美枝さんが作ったもの。ドレッシングの材料はすりおろしたにんじんやセロリやにんにく、バルサミコ酢、ブラックペッパーなど。アクセントのにんにくが食欲をそそります。

ホットサンドは一番人気という「エビアボカドチーズ」。中には野菜やエビなどがぎっしり!そしてカリッと焼かれたパンがおいしい!それもそのはず、パンも手作りなんです。厚すぎず薄すぎない全粒粉の食パンを、パン教室を営むスタッフのゆささんが開発。中まで温かく、カリッと焼きあがるよう焼き加減も細かく調整しているのだそうです。

ヘルシーなデザートメニューとこだわりのコーヒー

デザートプレート/580円、ブレンドコーヒー/500円(すべて税込)

アフタヌーンティーにはデザートプレートやスムージーもおすすめ。この日のケーキはヨーグルトケーキ。チーズケーキのようですが、ヨーグルトがベースなので、あっさりとしていてヘルシー。美枝さん手作りのハートの抹茶クッキーにも癒されます。
コーヒーは、ガテマラ産のオーガニックコーヒー豆を使ったDAKOTA cafe t.bオリジナルブレンド。コーヒーが苦手な人でも飲めるようにと雑味と酸味を抑えたすっきりとした味わいに仕上げています。一杯立てで丁寧に淹れたコーヒーは格別です。

にんじんりんごジュース/550円(税込)

麻樹子さんイチオシという「にんじんりんごジュース」もいただきました。にんじん、りんごを皮ごとスロージューサーにかけることでビタミンなどの栄養や素材の味はそのままジュースに。氷もレモン汁のみで作られたものを使っているので本当に濃厚!甘味料などでは出せない素材本来の自然な甘さが感じられ、体に染み渡るようでした。

「tréfle branc時代のお客様はもちろん、新しいお客様ともつながっていけるような場所にしていきたいです」と麻樹子さん。店名の“DAKOTA”は“仲間”という意味なのだそう。裕長さんのいないtréfle brancの新たな出発。麻樹子さんと美枝さんの頑張る姿を裕長さんは天国で見守ってくれているのではないでしょうか。
二人の思いが溢れる優しい料理をぜひ食べに行ってみてくださいね。

 

DAKOTA cafe t.bの基本情報

住所岐阜市清住町1-6-2 ストロベリーフィールズ 2F
営業時間11:30~15:00(土日は~18:00)
定休日月、火曜
TEL058-216-0429
駐車場無(1,000円以上のご飲食で100円の補助有)
Instagram@dakotacafe_tb

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