長良川河畔の新たな文化発信拠点『川原町 Gallery Sagan』(岐阜市)
昔ながらの町屋が並ぶ川原町に新しくギャラリーがオープンしたと聞き、取材してきました。
東京から岐阜に移住し、念願のギャラリーをオープン
『川原町Galley Sagan』があるのは、風情あふれる目抜き通りから一本北に入った通り。長良川河畔の人気店「文化屋」近くにあります。
「店名は大好きなフランスの小説家フランソワーズ・サガンから名付けました」と朗らかに話すのは、店主の大亦(おおまた)とし子さん。長年にわたり東京の出版社で編集・校正者として勤めながら、定年退職後にギャラリーを始めるアイデアを温めていたそう。縁があって岐阜市を訪れた際に、岐阜城や長良川を臨む川原町の雰囲気が気に入り、移住を決意。理想に近い物件と出合い、2022年5月に念願のギャラリーをオープンしました。
天井高を生かした空間で、さまざまな作品を展示
もともと飲食店だった店舗をリノベーションしたギャラリースペースは、天井まで5mはあろうかという高さが特徴。取材日には、京都のろうけつ染め職人・長田けい子さんの作品展「夏の染め」が開催されていました。
溶かしたろうを生地に塗り、色彩の濃淡を表現する伝統的な技法を生かした美しい暖簾。繊細に描かれた夏の草花や優しい色合いに心が和みます。
「高校生の頃に友人と一緒に初めて本格的なギャラリーに行ったことが全てのきっかけでした。その時、ギャラリーというものは不思議な感覚を覚える特別な空間だと強く印象に残ったんです」と大亦さん。そうした経験から、心を揺さぶるような作品を紹介する場であり、地域の若い作家を応援する場にしていきたいとのこと。
今後も平面・立体やジャンルを問わず、さまざまな作家の作品を紹介していくそうです。
訪れる人と交流するフリースペース
ギャラリースペース奥には、壁一面にびっしりと本が収納された本棚が並びます。ふらりと訪れた客がここで本を読んだり、会話を楽しんだりしているそう。
棚の中の本は、店主が個人的に集めた小説や絵画・芸術関連書籍、出版社時代に仕事で関わったものや絵本まで多岐に渡ります。
「まだギャラリーの運営で手一杯ですが、いつか読書会をしたりお茶を出したりできればと思っています。少しずつ皆さんが気軽に足を運べる場所にしていければ」と今後の展望を話してくれた大亦さん。ギャラリーで作品を鑑賞するだけでなく、本好きな店主が選んだ本を読んで一息つくのも良い時間になりそう。グルメやまち歩きも良いですが、落ち着いた雰囲気のギャラリーで芸術や文学に触れるのも、川原町の新しい楽しみ方としておすすめです。
川原町 Gallery Saganの基本情報
住所 | 岐阜市元浜町35-11 |
営業時間 | 11:00~17:00 |
定休日 | 火・水曜 |
TEL | 090-7424-8924 |
駐車場 | 有 |
@gallerysagan |