郷土料理を味わえる農家レストラン『舟伏の里へ おんせぇよぉ~』(山県市)
山県市北部の北山と呼ばれる地区にある農家レストラン『舟伏の里へ おんせぇよぉ~』。こちらでは、地元のおばあちゃんたちが作る郷土料理をいただけるとのことで行ってきました!
廃校を活用したレストランから郷土の食文化を発信
1997年に廃校になった旧北山小学校を、交流施設としてリノベーションしてできた「北山交流センター」。その1階に2013年にオープンした『舟伏の里へ おんせぇよぉ~』は、田舎料理を通して人と触れ合える場所をつくり、地域の食文化を次世代につなげていきたい、という想いから誕生しました。店名の「おんせぇよぉ~」とは、地元の方言で「いらっしゃい」という意味。地域の人たちにシンボル的な存在として親しまれている「舟伏山」の麓にいらっしゃい、という歓迎の意味が込められています。
レストランがあるのは、小学校で「ランチルーム」として使われていた部屋。昼時になると、県内外から訪れるツーリング客や家族連れ、地元客で賑わいます。
四季折々の地域食材を楽しめる料理
6種類あるランチの中でも一番人気なのが、華やかな見た目の「舟伏の里 特製ランチ」。まぜごはんや味噌汁、主菜1品、副菜5品、さらには天ぷら、デザート、ドリンクが付いてボリューム満点!思わず笑みがこぼれます。かごには、甘い味付けで硬めに炊いた煮豆や豆腐とキュウリの白あえ、甘酢が利いた酢の物などの小鉢が。旬の食材を使った彩り豊かな料理に心が躍ります。
この日の主菜はひじきやニンジン、玉ネギが入ったがんも。口に入れた瞬間のふわっとした食感がたまりません!具材は時季によって変わるそうです。
ご飯は、山菜やニンジン、油揚げなどの具材を醤油やだしで煮てから、炊きたての白米に混ぜたもの。この地域の各家庭では、炊き込むのではなく具材を混ぜることから、「おまぜ」という呼び名で親しまれているそう。優しい味わいがじんわりと心に染み渡ります…。
私のイチオシは里山の豊かな恵みが楽しめる季節の天ぷら!この日はヨモギ、大葉、ナス、カボチャ。揚げたての衣のサクサク感とともに、山菜の爽やかでほろ苦い風味が口いっぱいに広がります。さらに横に添えられた茶塩を付けると味わいが変化。これは地元で栽培されている北山茶で作ったもので、緑茶の香りと程よい苦味が素材のおいしさを引き立てます。
夏におすすめなのはこちらの「十割そば 特製ランチ」。つなぎを使わずそば粉だけで作られた十割そばは、歯切れのよい食感でコシがあり、香り高い味わい。共に盛られているのは大根のつま。昔からこの地域ではかさ増しとして乗せられていたらしいのですが、シャキッとみずみずしく、そばと一緒に食べるととてもさっぱりといただけます。
「食材はできるだけ地元のものを使うことにこだわっています」とスタッフの三島さん。近所の人が育てたものや、おばあちゃんたちが摘んできた山菜などが使われているそうです。食材へのこだわりや郷土の文化や歴史など、食の背景を知ることで料理がより一層味わい深く感じられますね。
メニューは皆さんでアイデアを出し合いながら決めているそう。この日も試作品を囲み、「ここにこだわったよ」「これいいね!」と和気あいあいとした雰囲気。現在考案中なのが、近くで採れる川海苔を使い、川をイメージした美しい見た目のお菓子。季節のデザートとして登場する予定だそうです!
地域全体でまちづくりを盛り上げていきたい
「こんな料理があるんだと知ってもらう機会は増えていて、少しずつ食文化がつながってきていると感じます。近くにカフェやコワーキングスペース、ゲストハウスができて、この辺りでできることが多くなりました。今後はここを中心に地域全体を盛り上げていきたいです。一息できて一日過ごせるような場所にできたら良いですね」と代表の山口さん。人と食がつながるこの場所から、まちづくりの輪が緩やかに広がり始めているようです。
心尽くしの手料理と親しみにあふれた人たちと出会える『舟伏の里へ おんせぇよぉ~』で、ほっと心休まるひと時を。ぜひ皆さんも訪れてみてください。
代表の山口さんは山県市の移住促進の活動もされています。
〈詳しくはこちら〉
『舟伏の里へ おんせぇよぉ~』の基本情報
住所 | 山県市神崎100 北山交流センター内 |
営業時間 | 11:00~15:00(LO14:30) |
定休日 | 月~木曜、お盆、12月~2月末まで休業 |
TEL | 080-2648-8175 |
備考 | 10名以上で予約可 |
WEB | https://gifu-yamagata.wixsite.com/onseiyo |
@onseiyo |