アノ人に会いにゆく。Vol.3~『田中屋せんべい総本家』田中亜希子さん~
aun編集室のメンバーが、岐阜の気になる人に会いに行ってインタビューする企画「アノ人に会いにゆく。」第3回は大垣市にある160余年の歴史を持つ老舗『田中屋せんべい総本家』の田中亜希子さん。6代目・田中裕介さんの奥様で、3児の母でもあります。老舗のせんべい屋が何やら最近おしゃれな商品を出している!との噂を聞きつけ、商品の企画・開発に携わっている亜希子さんに話を伺ってきました。
伝統を守りつつ、新しい世代につなげていくきっかけに。
大垣市民ならなじみがあるであろう「みそ入大垣せんべい」。大垣市出身の私も当然のように子どもの頃から食べていた思い出の味。材料は自家製の白麹味噌、国産小麦粉、ごま、砂糖のみというシンプルなせんべいで、熟練の職人が一つひとつ手焼きしています。バターや卵を使っていないためヘルシーなのですが、何よりとても硬いことでも有名!でも、その硬さと香ばしい風味が癖になる、老若男女に愛され続けている逸品です。
そんな老舗の看板商品のイメージとは異なる、新しい商品を開発しているという亜希子さんにいろいろと聞いてみました。
――田中屋せんべいで働くことになったきっかけを教えてください。
亜希子さん:実はね、嫁ぐまで田中屋のせんべいを食べたことがなかったんですよ(笑)。一宮市出身の私は、名古屋で会計事務所の仕事をしていたので、岐阜の老舗せんべい屋と聞いても最初はあまりピンときませんでした。でも、自分が母親になって、安心安全でおいしい田中屋のせんべいが子どもにぴったりだと気づいたんです。もっと子どもにも食べやすい商品を作って、他のお母さんたちにも知ってもらいたいと思ったことがきっかけでした。
赤ちゃん用のせんべいって大人が食べるとあんまりおいしくないじゃないですか(笑)。お母さんも一緒に食べておいしいおやつを作りたかったんです。そうして生まれたのがこの「せんべいびー」です。同じく子育てをしているデザイナーの友人とイラストやデザインを考えたり、夫や現場の職人にどんなせんべいにするかを相談したり。やり始めたら楽しくてどんどんはまっていって、気づいたら4年経っていました。
――どんなところにこだわって企画していますか?
亜希子さん:田中屋せんべいを知らないお客様は、老舗のせんべい屋だしお店に入りづらいと思うんです。そんなお客様にも来店していただけるように、よい意味で敷居を下げたいと思っています。6代目である夫と相談しながら、流行を取り入れつつ、おいしく、手に取りやすい商品を目指しています。店やデパートで売るだけでなく、マルシェに参加したり、SNSで商品を紹介したりして、若い世代の方たちにも知ってもらう機会を増やすようにしています。
――やりがいを感じるのはどんな時ですか。
亜希子さん:やっぱり、「おいしかったよ」というお客様の言葉をいただいた時ですね。Instagramで、「子どもに食べさせてます」とDMをいただいたり、お子様が食べている投稿を見かけたりする機会もあって。すごく嬉しくて、また頑張ろうって思えます。
――最後にこれからの展望について聞かせてください。
亜希子さん:自社製品の中から甘くないせんべいを集めた女性向けのヘルシーな商品ができたらいいなと思っています。「せんべいびー」や「せんべい缶」が田中屋を知るきっかけとなって、160年続く「みそ入大垣せんべい」を次の世代につなげていきたいです。
女性ならではの視点で新しい商品づくりに挑戦し続ける亜希子さんですが、とても楽しそうに企画されていることが伝わってきました。大好きな地元の銘菓がどんどん進化していく姿に私も嬉しくなりました。新しい商品が出たら買いに伺いたいです♪
田中屋せんべいの商品は、本店およびFACTORY SHOPのほか、全国の髙島屋や三越などのデパート、オンラインショップで購入できます。
みなさんもぜひ一度、食べてみてくださいね♪
田中屋せんべい総本家の基本情報
本店
住所 | 大垣市本町2-16 |
営業時間 | 9:30~18:00(日曜は17:00まで) |
定休日 | 水曜 |
駐車場 | 3台 |
TEL | 0584-78-3583 |
HP | http://tanakaya-senbei.jp/ |
公式:@tanakaya_senbei_official 田中亜希子さん:@senbeiby |
住所 | 大垣市楽田町2ー76 |
営業時間 | 9:30~17:00 |
定休日 | 日曜 |
駐車場 | 有 |
TEL | 0584-75-1616 |