和らん
わらん
生産者から料理人へと紡がれる愛情が、“和らんの一皿”に
心や体の芯にまで届く充足感はこのことかと思い至る一品一品。加藤和弘さんが食の豊かさをコースで表現する『和らん』。瀟洒な空間で妻の蘭さんが迎えてくれる。
料理には無農薬や有機栽培の野菜、目利きの達人から仕入れる魚を使い、酒は自然派ワインを。そこには自然の恵みに愛情を注ぐ彼らへの確かな信頼と敬意がある。「食べたものは1カ月後の血となり肉となります。私たちはお客さんの命を預かっているようなものだから」。また彼らとの語らいや素材から受ける刺激は和弘さんの創造の源だ。飲食店向けにごく珍しい野菜を有機栽培する井深宏昭さんや彼の収穫物もその一つ。
「空豆のマカロン」に使うのは、完熟前の甘みの強い空豆。その皮で出汁を取ったメレンゲに空豆クリームが挟まり、旨みが増幅して舌に届く。「紫アスパラの淡雪」は、アスパラの豆腐を黄身酢の泡、ぺコロスのチップ、花付きキュウリなどで飾った一品。酸味と甘みと苦味とコク、口どけと素材感とスナック感。井深農園の野菜の共鳴が楽しい。
「井深さんの野菜は味が濃くて見たことがないものも。農業のことを気負わず教えてくれて、常に新しい発見がある」と和弘さん。極力手を加えずに野菜の存在を生かしながら、独創性に彩られた料理は「生でも美味しい野菜をどうしたらって考えて、思い付き」と笑う。だがそこには、和食店で身に付けた基本の上に、日頃から高め続ける知識と技術がある。「調理の温度には気を遣います」。野菜の旨みや色彩が最大となる一点を見極める。生産者から料理人へつながる愛情のリレーが、客の明日を豊かにする。
基本情報
住所 | 岐阜市徹明町3-1-7 |
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TEL | 058-214-2739 |
営業時間 | 18:00 - 22:00 (最終入店 19:30) ※完全予約制 |
定休日 | 日曜日・祝日 / 不定休 |
URL | http://waranco.com/ |
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掲載した情報は2016年06月25日時点のものです。