コクウ珈琲
コクウコーヒー
“いつでも傍にあるもの”を目指した、日常の一杯
宿場町の面影を残す旧中山道沿いに建つ『コクウ珈琲』。築90年の郵便局を改装した店内に、ゆったりと置かれた椅子やテーブルが馴染み、穏やかな時間が流れる。
店主の篠田康雄さんは一宮市出身。幼い頃から父に連れられて喫茶店に慣れ親しんできた彼にとって、喫茶とは「なくてはならないもの」という。学生時代はカウンターしかない喫茶店に通いつめ、マスターとの会話を楽しむ日々を過ごした。やがて、自分の店を持ちたいとコーヒー専門店や大手チェーンに就職。8年間勤めた後、焙煎を本格的に習得するためにと探して行き着いたのが西尾市にある「フレーバーコーヒー」だった。そこで出会ったのが、この店の味に欠かせない“松屋式”抽出法。
ペーパーフィルターを専用の金枠にセットし、荒めに挽いた焙煎豆を多めに入れて湯を注ぐ。よく蒸らした後、2回目に注ぐ湯をカップに対して2分の1程度で止めるのがポイントで、これにより豆の渋みやえぐみが出る前に抽出を完了させることができる。そのコーヒー原液を湯で割ると、豆の甘みや旨みだけが抽出された、すっきりとした味わいが実現するという独特のドリップ法だ。
「オーナーの中川さんはまさにコーヒーの研究者。松屋式はもちろん、いろんな淹れ方を解析した詳細なデータを基に、理論や知識を与えてくれて。松屋式なら安定した味が出せるし、純粋に何杯も飲みたくなる味だった」。中川氏に師事し、焙煎の仕方や淹れ方を学び、平成21年、満を持して店を開いた。
覚えやすさを第一に、豆はシンプルに国名だけを明記。さらに気に入ったものがあれば毎日でも通えるようにと、品質が良く、安定して入荷できる全11種類の豆を常に揃え、コーヒーはどれもワンコイン以内で提供。そのうち、ブレンドは3種類。甘みと苦みにほのかな酸味が見事に調和した、いささかの雑味もない中深煎りの「コクウブレンド」は、店を象徴する一杯だ。「コーヒーが苦手な人も、これならブラックで飲めるって通ってくれるんです」。 開業当初から、理想は街の喫茶店。「喫茶店は特別な場所じゃなくていい。日常にあるものでいいんです」。篠田さんはどこまでも、生活に根差したコーヒーを提供し続けると決めている。
基本情報
住所 | 美濃加茂市太田本町1-7-1 |
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TEL | 0574-49-9840 |
営業時間 | 11:00~20:00(LO19:00) |
定休日 | 木曜、第4水曜 |
駐車場 | 3台 |
URL | http://cocu-coffee.com/ |
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掲載した情報は2018年9月12日時点のものです。