大豊軒 organic punk chinese

タイホウケン
大豊軒料理

体に優しい料理で食の大切さを伝えたい。
本当に美味しい食事は心まで満たしてくれる。そんな料理に出合えるのが、可児市にある「大豊軒」だ。店を営むのは、直井昭憲さんと妻の順子さん。もともと実家が祖父の代から続く中華料理店だった昭憲さんは、高校を中退した後、三重県の中華料理店で修業。そこでの中国・揚州から来日した料理人たちとの出会いが、食を見つめ直す大きなきっかけとなる。
揚州の料理は、小麦粉と水のみで麺を打ったり、添加物が入ってないシンプルな材料を使ったりと、昔ながらの簡素な調理法が基本。昭憲さんはその美味しさに感銘を受け、食材やレシピを徹底的に研究。その後も食への探究心は増すばかりで、自らの食事も見直すに至った。「私はもともと薬品的なアレルギーがあり、化学調味料などの添加物を長年使ってきたことで味覚障害を起こしていました。でも、それをすべてやめると味覚が戻って。“味が分かる”と、生まれ変わったような感覚でした」。食について様々な知識を得る内に、同じように苦しんでいる人がいることも知った。ならば料理人としてできるのは、体への優しさを追求した料理を届けること。昭憲さんは実家の中華料理店を、食材を生かしたメニューを提供するまったく新しい店に生まれ変わらせた。しかし、「以前と味が変わってしまった」とほとんどの客が離れてしまった。
大豊軒野菜
そんな時に支えとなったのが、一部の常連客や、生産者たちの存在だ。彼らは自身の持つ知識や人脈など、何でも親身になって教えてくれた。忘れられないのは、自然栽培を行う農家からもらった野菜の美味しさ。体の底から力が湧くようだった。「不安な時期も長くありました。でも一人で厨房に立っていても、食材と向き合うと独りじゃないんだと思えて。本当にたくさんの方に支えていただいたんです」。
大豊軒料理
料理に使う材料は、無薬で育った豚や鶏、自然栽培の野菜、三重県尾鷲市の海から直送される天然の魚介など。スープは、鶏と香味野菜で丁寧に取るだしや醤油、香味オイルなどでシンプルに味付け。低温調理で柔らかくジューシーに仕上げた「あんしん豚」は、黒酢の程良い酸味とスパイスで肉の旨みを際立たせる。「老麺法」という製法で15年間繋いだ種から作る自然発酵の蒸しパンは、噛むほどに小麦の豊かな香りが広がる。
大豊軒発酵専用の部屋
「素材の声を聞き、それに合わせたことをするだけ」と昭憲さん。厨房の奥には発酵専用の部屋を設け、味噌や醤油も自ら仕込む。「手間はかかりますが、とてもやりがいを感じています。”美味しい”と実感できる喜びが大きくて。何より、この料理を受け入れてくれたお客様がいることが奇跡のようにありがたいんです」。信念を曲げずに料理を作り続けるその実直な姿勢が実を結び、いつしか遠方からも客が訪れるほどになった。
大豊軒店主とスタッフ
3年前からは毎週日曜日の朝に、店で使っている食材が並ぶ小さなマルシェも開催している。「体に優しい食事を日常にしてもらいたくて、毎週開くことにしたんです。ここでお弁当の中身が全部揃うくらい」と二人。
誠実に選び取った素材で作る料理は、味わう人の心まで満たす。そんな“食べること”に真っ直ぐ向き合う大切さを教えてくれる場所が、ここにある。

基本情報

住所 可児市広見2246-18
TEL 0574-63-6664
営業時間 11:30~LO13:00
※企画展開催中はティータイム(13:30~16:00)も営業
※夜は1名6,000円(税抜)~、4名様以上、要予約
定休日 木・金曜
駐車場 8台
URL http://organicpunk-chinese.com/
SNS
掲載した情報は2020年3月11日時点のものです。

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