岐阜善光寺 前住職 松枝 秀晃さん

松枝秀晃さんを囲む家族

〈PROFILE〉
岐阜市伊奈波通にある『岐阜善光寺』の21世住職・松枝秀顕(しゅうけん)さんの長男として生まれる。高校時代にアメリカへ1年間留学し、本場のアメフトを経験。高野山大学で2年間の修行を経て僧侶資格を取得後、再び渡米し、セントラルワシントン大学へ入学。数学を専攻し、卒業後24歳で帰国。28歳で朋子さんと結婚。平成25年、36歳で岐阜善光寺を継ぎ、22世住職となる。一男一女の父。平成30年9月15日に急逝。享年41歳。

自分の人生は上出来だったときっと笑っていると思います。
内観
「お寺を人が集う場に」が口癖だった。『岐阜善光寺』の22世住職を務めた松枝秀晃さん。25歳で副住職となり「仏教の中に迷いの答えが必ずある。若い世代にももっと仏教やお坊さんと接する機会を作って、寺を気軽に集える文化拠点にしたい」と法務の傍ら、講演や寄席、ワークショップなど、様々なイベントを積極的に開いた。
松枝秀晃さん
36歳で住職を継いだ平成25年には、地域の人が利用できるホールを備えた弘法堂を建立。
翌年からは毎月15日に開催する門前市「善光寺大門まるけ」をスタートし、境内に幼子を連れた母親や若い参拝者、ご近所さんたちが集うのどかな光景が広がるようになった。
まるけ
しかし、平成30年9月15日の朝、秀晃さんは心臓発作を起こし、運ばれた病院で急逝してしまった。
対話を好み、時に説法に熱が入ることもあった彼を「仏教の教えを、自分の言葉で伝えようと努力していました。相手に遠慮をしない不器用なところもありましたが、その時に嫌われてもいい、いつかその人のためになればいいからと言って」と妻の朋子さんは振り返る。
松枝朋子さん
「今も主人を思い出して涙することもありますが、お通夜やお葬式に何千人もの方が来てくれて、亡くなった後もたくさんの方がお参りに来てくださったり、『今でもここに秀晃さんがいたら何て言うかなと思う』と言っていただくことも多くて、嬉しいんです」。
遺影
令和元年9月、弟の秀乗さんが23世住職を継いだ。「兄が残してくれたものを守り、生きた証を残すことが一つの供養。そして多くの方がずっと兄を覚えていてくれることもまた供養だと思います」。
シューコーまるけ1
令和元年9月15日に行われた一周忌。恒例の門前市がこの日は「シューコーまるけ」と改められ、出店者も客も誰もが彼を偲び、思い出話に花を咲かせ、境内に笑い声が溢れた。
外観
その様子を嬉しそうに眺めていた朋子さんが、ふと本堂の上に広がる快晴の空を見上げた。「今も主人はきっとあの辺りで私たちを見守っていて、駆け抜けて燃焼しきった自分の人生を、上出来だったと笑っていると思います」。

基本情報

住所 岐阜市伊奈波通1-8
TEL 058-263-8320
営業時間 終日(御朱印受付は8:00~17:00頃)
駐車場 15台(有料)
URL http://gifu-zenkoji.jp/
SNS
掲載した情報は2019年12月11日時点のものです。
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