株式会社リバークレス 代表 伊藤 由紀さん

伊藤さん

〈PROFILE〉
海津市出身。名古屋大学大学院修了後、東京で就職。ITコンサルティング会社勤務を経て、平成19年にコンサルティング会社『株式会社リバークレス』を設立。会社を営む傍ら、故郷の柿を使った柿酢の醸造を開始。東京から海津市へと拠点を移し、事業を醸造一本に絞り、柿酢の販売をスタート。「ハリヨの柿酢」は、県の「飛騨・美濃すぐれもの」にも認定されており、柿や柿酢の魅力を伝えるため、対面販売やワークショップなども開催している。

当たり前に傍にあるものにも、可能性があることに気付いて。
「柿酢は出発点」と話すのは、『株式会社リバークレス』代表の伊藤由紀さん。柿酢作りの始まりは、東京でコンサルティング会社を経営する傍ら、地方創生事業に興味を持ったこと。「地域資源に付加価値を付けて魅力を生み出すことに感動して。当たり前にあるものも可能性を秘めているんだって」。岡山県の棚田再生など各地の取り組みを手伝ううちに、自分も地元で何かできないかと考えるようになり、海津市にUターンすることを決意。まずは耕作放棄地になっていた祖父の柿畑の手入れから着手した。
柿
約3年をかけて畑は柿がなるまでに回復。その実で何か作れないかと考えた。「海津市は古くから柿の産地ですが、高齢化と後継者不足による休耕地が増えていて。活用の手助けになればと」。ジャムや菓子を作り始めた頃、健康ブームで果実酢が流行。柿を使った”柿酢“が少ないことに着目した。
柿酢
4年間試作を繰り返す中で完成した「ハリヨの柿酢」を、外部研究所に依頼し成分を分析すると、アミノ酸などの健康成分の含有量が高いことが分かり、設備を揃えて本格的な製造を開始。しかし、商品化するには大量の柿が必要となるため、南濃柿部会と連携して規格外品を有効活用することを閃く。廃棄していた柿に新たな価値を見出せる、それが柿酢だった。
柿カット
秋に生産者から作業所に柿が届くと、近所の人に協力してもらい、種とヘタを取ってカットする。それをタンクの中で発酵させて、じっくり1年間熟成させる。「発酵のさせ方も機材の種類も手探り。本来は石橋を叩いて渡る性格ですが、勇気を持って踏み出せば意外にできるものだなって」。
収穫
今では、県内に取扱店ができたほか、東京や福岡の日本料理店ではすし酢として、素材にこだわるカフェでは調味料や卓上酢としても使われるように。「今ある資源を循環させることで生産者さんや地元の方など、関わってくれる人が楽しく生きる仕組みや場所をつくることが目標。だから柿酢は“やりたいこと”のまだまだ出発点なんです」。

基本情報

URL http://kakivinegar-haliyo.com/
SNS
その他備考 [ハリヨの柿酢 取扱店]
THE GIFTS SHOP(岐阜市橋本町1-10-1)
道の駅 パレットピアおおの(揖斐郡大野町下磯313-2)
道の駅 クレール平田(海津市平田町野寺2357-2)
GIFTS PREMIUM(名古屋市東区東桜1-11-1) ほか
掲載した情報は2019年12月11日時点のものです。
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