ダブルエックスデベロップメント
町工場の情熱をジーンズに託して
戦後、アパレル産業が急速な発展を遂げた岐阜市で今、新たな挑戦に踏み出した工場がある。縫製業を専門に行い、今年1月、自社製品のオリジナルジーンズの販売を始めた『ダブルエックスデベロップメント』だ。
「昔からファッションが好きで」と話す社長の戸谷太一さん。高校のファッション科でアパレルの基礎を一通り学んだ後、22歳でフリーランスとして大阪を拠点に縫製の仕事を開始。やがて小さな工場を立ち上げ、セレクトショップから裾上げ業務を受託するなど順調に業績を伸ばしていった。その中で戸谷さんは服作りの企画にも携わり、一連の技術を習得。そして25歳の時、地元の岐阜に工場を移転させた。
当初工場では、受注した縫製業務のみをこなしていた。従業員たちの確かな技術と丁寧な作業による製品の仕上がりに、顧客からの信頼も厚かった。「でもそれは全部、他社ブランドもの。ふと、工場が服を作って売ってもいいんじゃないかと思ったんです。みんなも『自分が作った服だ』って胸張って言えたらやりがいも増すんじゃないかって」。
そこで戸谷さんが着目したのがジーンズだ。ジーンズは、形や素材などに厳格な型はない。だからこそ自由に理想を追求できる。目指したのは、ジーンズのルーツである作業着としての無骨さと、ファッションとしてのスマートさを最もバランス良く兼ね備えた60年代のアメリカのジーンズ。「それを再現できる力が、僕らにはあるはず」。
デザインやパターンなど、すべてを一から制作。数々の工程の中でも、やはり要となるのが縫製だ。縫い目の細かさや、生地の端から縫い目までの距離、縫い合わせる強度。それらがわずかに変わるだけで仕上がりの印象や履き心地が大きく異なる。ウエストやポケット、裾など、縫う場所ごとにミシンのパーツを微調整し、指先の感覚を頼りに縫う。さらに「初めの履き心地は悪いけど、その人だけのしわや色落ちが出るから」と、あえて生地に少し糊を残す。
「ジーンズが生まれた当時のアメリカを再現したいんです。このまちでジーンズが生まれて、そこに暮らす人がそれを履いて、ちょっと格好よくなる。僕が生まれ育った岐阜をそんな風景があるまちにしたい」。
基本情報
住所 | 岐阜市本荘西3-8 |
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TEL | 058-253-2630 |
URL | https://xxdevelopment.com/ |
SNS | |
その他備考 | [ショップ 基本情報] 13:00~19:00 日曜、祝日、第2土曜 定休 駐車場 3台 |
掲載した情報は2019年9月9日時点のものです。