アノ人に会いにゆく。Vol.14~『草maruke』堀真由美さん~

※掲載情報は2026年3月31日時点のものです。

 

aun編集室のメンバーが、岐阜の気になる人に会いに行くインタビュー企画『アノ人に会いにゆく。』第14回は「草maruke」として活動する堀真由美さん。身近な草を通して、人と自然をつなぐ体験を各地で届けています。

足元の草から始まる体験

この日案内していただいたのは、池田町の山の麓にある「霞間ヶ渓スポーツ公園」の一角。整備された遊歩道のすぐ脇の、普段は気にも留めず通り過ぎてしまうような場所です。道端には当たり前のように草が生えています。
堀さんは、そうした身近な草をテーマにした自然散歩やワークショップ、ものづくりなどを行っています。
せっかくなので、堀さんと一緒に足元の草を観察しながら散歩してみました。


「この“スイバ”は名前の通り酸っぱいんですよ。食べてみてください」と堀さん。言われるがまま口にしてみると、天然の酸味が感じられ、思ったよりえぐみもありません。「ジャムづくりにはレモン果汁などの酸味が必要ですよね。これと砂糖だけでおいしいジャムができるんですよ」。草からジャムができるなんてびっくりです!一体どんな味なのか気になります。

「これは野草で作ったお雛様」と見せてくれたのは、タンポポの顔にギシギシという大きな葉の着物、小さな花を持ったひな人形。とてもかわいいです!
さらにタンポポの茎の「草笛」も。“ブーブー”と上手に鳴らす堀さんにコツを教わるも全く鳴らせず…。悔しい!
そんな風に過ごすうちに、子どもの頃に道端の草や実をかじったり、シロツメクサで花冠を作ったりして遊んだ記憶がふっとよみがえってきました。何気なく見ていただけの草が、少し身近に感じられた気がします。

編集者から、草のある暮らしへ

――この活動はいつから始めたのですか?

堀さん:2022年からです。2020年まで出版社で編集者として30年以上働いていました。大きな仕事が一区切りついた時に、燃え尽きたような感覚になったんです。「一度ゼロにしてフラットにして考えよう」と、次のあてがないまま退職しました。
その後、とりあえず外に出てみようと思い、いろんな場所に行きました。自然学校の手伝いやボランティアをするうちに、いろんな人との縁がつながっていって。そこで自分が教えてもらって面白いと感じたことを、今度は伝える側に回れたらと思ったんです。

――なぜ活動のテーマに“草”を選んだのですか?

堀さん:もともと自然は好きでしたが、その中でもしっくりきたのが、道端に生えているような草だったんです。私は“雑草”や“薬草”という言葉はあまり使いません。全てに名前や特徴があり、それぞれに力があると思っているからです。有名な山や特別な場所に行かなくても、目の前にあるもので十分なんです。うまく住み分けをしながら、踏まれてもまた生えてくるしたたかな生き方から、学ぶことも多いですね。

身近な自然を楽しむ、さまざまなワークショップ

上)乾燥させたエノコログサ(猫じゃらし)のお茶、左下)ミカンの皮や土を粉末にして蜜蝋と混ぜたクレヨン、アケビやオオツヅラフジの蔓を編んだカゴ

――主な活動の内容を教えてください。

堀さん:草のお茶やタンポポ味噌、野草納豆などの「食」や、アケビの蔓を使ったカゴ編み、草のアクセサリーなどの「ものづくり」、植物を観察しながら歩く「自然散歩」など、植物のさまざまな楽しみ方を伝えるワークショップを行っています。
他には、作った作品などを販売するためにマルシェに出店することもあります。販売する際にお客さんと話が盛り上がり、後日ワークショップに参加してくれることも。また、マルシェは出店するだけでなく、自分で企画・開催することもあります。

 

 
 
 
 
 
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――自然散歩ではどのようなことを行っているのですか?

堀さん:先ほど体験してもらったように、公園や街中を2時間ほどかけてじっくり歩きながら植物を観察しています。観察だけでなく香りを嗅いでもらったり、時には草をかじったり。柳ヶ瀬でも実施したことがあるんですが、春の七草のひとつ、「ハコベ」が生えていました。どこにでも草は見つけられるんですよ。

左)クロモジやティーツリーを蒸溜して作るアロマ、右)栗のイガやビワの葉で染められたハンカチ

――ワークショップに参加される方はどんな方が多いですか?

堀さん:お子さんからご年配の方までいろいろですが、大人の女性が多いですね。子どもより大人の方が夢中になっていることもよくあるんですよ(笑)。遠方から来てくださる方や、リピーターの方も多くてありがたいですね。

左)タンポポ、右)ヒメオドリコソウ どちらも春の花

――こうした活動を続ける中で、大切にしていることはありますか?

堀さん:まずは自分が楽しむこと。それが皆さんにも伝わっていけばいいなと思っています。
もう一つは、できるだけその土地のものを使うこと。材料は一緒に採りに行くところから始めます。完成したものよりも、その過程を体験することが大切だと思っています。植物との関わり方を知って、自分なりの楽しみ方を見つけてもらえたらうれしいですね。

ヨモギ

――今後やってみたいことはありますか?

堀さん:活動の拠点をつくりたいです。かまどをつくったり、バイオマストイレを作ったり、みんながやりたいことを試せる実験的な場所にしたいと思っています。あとは、専門家の方を招いて、植物から繊維を取り出し、糸を紡いで布を織るところまで体験できるワークショップもやってみたいですね。そうやって、ご縁を大切にしながら、少しずつ活動の幅を広げていけたらと思っています。

終始楽しそうに話す、堀さんの生き生きとした表情がとても印象的でした。
これから植物が活発になる夏に向け、さまざまなワークショップやイベントの開催を予定しているそう♪
皆さんもぜひ、日常の中にある自然と、ゆっくり向き合う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

■6月の活動予定
2(火)「てくてくの会」(岐阜市)
8(月)「Let‘sどくだみパーティ」(垂井町)※満席
14(日)「また旅ヴィーガンマルシェ出店~ミニミニかご編み~」(愛知県扶桑町)
16(火)「薬草研究家 山下智道さんによる食べる野草講座」(揖斐川町)※満席
27(土)「小さなオーガニックファームたべる 出店」(揖斐川町)
29(月)「草のお香・草のミストづくりワークショップ」(名古屋市)

 

『草maruke』の基本情報

Instagram@kusamaruke

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