心が優しく包まれる喫茶『灰ノ色』(各務原市)
今年7月、各務原市に喫茶『灰ノ色』がオープン。2023年にInstagramのアカウントを見つけてからずっと、どんな店になるんだろうと想像を膨らませていました。
趣ある古民家で心落ち着くひとときを
場所は各務原市鵜沼西町の旧中山道沿い。すぐ近くに、古い町並みが復元・再生された「鵜沼宿」があります。店の外観は一見するとごく普通の民家のよう。閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。
この店を営んでいるのは村田真途さん。かつて美容師をしていましたが、自分のやりたいことを追い求め、飲食の道へ。カフェで3年間経験を積んだのち、喫茶とギャラリーを融合させた『灰ノ色』を開業しました。当初、この古民家は宿として使う予定でしたが、もっとしっくりくる形を模索し、今のスタイルに落ち着いたそうです。
店内には、土間や和室を生かした昔ながらの空間が広がっています。キッチンに面したカウンターや窓際のテーブル席、大きな円卓、座布団を敷いた座卓などがあり、どこに腰を下ろしてもほっと一息つけます。さらに奥には、庭を眺められる二人掛けのテーブル席も。四季の移ろいを感じながらゆったりとくつろぐことができます。
「一人の時間に浸れたり、呼吸がしやすい天井の高さだったり。人それぞれの快適さを大切にしながら過ごしてほしいと思い、一席一席考えて作りました」。あるものは使う、ないものは足すという感じで、残されていたものと骨董屋から仕入れたものを組み合わせてリメイクしたそう。形も雰囲気も違う家具と雑貨が、昔からそこにあったかのように調和しています。
喫茶タイムにそっと寄り添う、コーヒーとおやつ
この店のコーヒー豆は、岡崎市にあるコーヒー店「what’s!? coffee」のオーナー・柴田恭兵さんに焙煎を依頼。「彼の焙煎した豆は香りと甘さの表現がとにかく豊かで、今の僕にはとても表現できません」と絶賛し、彼を師匠と慕うほどの信頼を寄せています。

コーヒーのメニューは、ブレンドのほか、コクのある「寧」やフルーティな酸味の「風」など全8種類。独特なネーミングは、村田さんが実際に飲んだときに受けた印象を、漢字一文字で表現しているのだそう。せっかくなので今回は、好みに合わせて豆の配合から挽き目、お湯の温度、ドリッパーまで変えて提案してくれる「栞」をオーダー。プリンとの相性を重視していることや、深煎りが好きなことなどを伝え、ホットでお願いしました。
コーヒーのお供に選んだ「クラシックプリン」は、しっかりと固さがありながら、つるんと滑らかで、これぞまさに正統派!丁寧に仕上げられた「栞」のほのかな苦味が、プリンの濃厚な甘みを引き立ててくれます。理想のペアリングを堪能できました♪
「コーヒーは温かいときだけでなく、冷めてもおいしさを保てるように想像力を働かせて淹れています。時間とともに変化する繊細な味のグラデーションや余韻を感じてもらえたら」。まさに喫茶店でのんびりしたい私にぴったりの一杯。最後まで寄り添ってくれる心強い味方です。
この店らしさがにじむフードメニューと企画展
『灰ノ色』のこだわりが詰まった、他のフードメニューもご紹介します。

スペルト小麦で作る「古代小麦のケーキ」は、全粒粉ならではの香ばしさがふわりと広がり、噛むたびに優しい甘みを感じます。生クリームとジャムのトッピングも華やか。「素材そのものを味わってほしいと思い、試行錯誤を重ねました。ぜひコツコツとした食感も楽しんでください」。

お食事で訪れた際は、クミンやターメリックなど5種類以上のスパイスを組み合わせた和風創作カレーもおすすめ!ショウガの食感がアクセントになった「キーマカレー」と、旬の食材を使った「季節のカレー」の2種類があり、合いがけもできます。夏の味覚たっぷりの「オクラとナスの豚バラカレー」は、9月で終了なのでお早めに♪
「できるだけ多くの人にとって、ここがあるから大丈夫だと思える、心の拠り所のような存在でいたいです」。空間だけでなく自分自身の在り方も大切にしていて、村田さんの心優しい人柄が伝わってきました。日常の喧騒から少しだけ離れて、思い思いのひとときを過ごしてみませんか?
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9/30(火)まで、イベント「誰かの頁、私の行。」を開催中。9/1(月)~7(日)には、個人書店が“心に棲んでいる本”をテーマに選書した本が展示されました。そして9/8(月)からは、展示されている本と自分が持ってきた“誰かに読んでほしい”と思う本を自由に交換できます。詳しくはInstagramをチェックしてみてくださいね。
『灰ノ色』の基本情報
住所 | 各務原市鵜沼西町1-774 |
営業時間 | 13:00~22:00 |
定休日 | 不定休 ※詳しくはInstagramの予定表をご確認ください |
駐車場 | 3台 |
@hainoiro |