喫茶とちょうど品 エントワ

自分だけの時間を過ごすくつろぎの空間
大垣市の閑静な住宅街にふと現れる大きな蔵。『喫茶とちょうど品 エントワ』は店主の和田将伍さんの “ちょうどいい”を集めた特別な空間だ。
エントワの内観
白い暖簾をくぐると、時間の流れが変わったかのようなゆったりとした空気に包まれる。入り口すぐには木を基調とした喫茶、奥には器や日用品、調味料などが並ぶ雑貨スペース、さらに2階には本と緑に囲まれたブックカフェスペースが広がる。この店にはまるで一つの小さな町を巡るかのような楽しさがある。
4年前、和田さんの父親が、自宅にあった築120年以上の蔵を残したいと、建物を改装して喫茶店を始めることを提案。当時、和田さんはIT関係の仕事をしていたが、全く畑違いの分野に興味が湧いた。「どんな店にしようか考えだしたら楽しくて。お客さんも自分も居心地の良い場所を作りたくなりました」。好奇心の赴くまま会社を辞め、平成30年に店をオープンした。
店内では、丁寧に淹れたコーヒーと手作りのスイーツが楽しめる。和田さんがその味に惚れ込み焙煎を依頼した、関市の自家焙煎珈琲店『カフェ・アダチ』による「エントワブレンド」。香り高く、雑味のないすっきりとした一杯は、繊細な甘さのスイーツととともに、くつろぎのひとときを一層格別にしてくれる。

そしてブックカフェに並ぶのは、約1000冊にのぼる書物の数々。そこには和田さんが一生をかけて読みたい本が集められている。世界が広がる感覚にワクワクしながら、夢中でページをめくった少年時代。時空を超えて冒険したり、違う誰かの人生を生きてみたり…。そして大人になってからも小説や哲学書など、本はいつも傍で寄り添ってくれた。「自分のお気に入りや読みたい本しかない部屋を作りたかったんです。1冊1冊選ぶのは時間がかかって大変でしたが、やっとその夢が叶いました」と嬉しそうに笑う。
雑貨スペースにも和田さんのこだわりが溢れている。デザイン性豊かなキッチンクロスや、天然素材の洗剤、体に優しい調味料など、どれも実際に使い心地を吟味した逸品ばかり。店名にある“ちょうど品”は、調度品を平仮名にしたものであるが、ここには “ちょうどいい品”という意味が込められている。多すぎず少なすぎず。背伸びしすぎず、ちょうどいい。その基準は人それぞれ。「この店の空間やものが、誰かの“ちょうどいい”になってくれたら幸せです」。心の琴線に触れた自分だけの心地良さに出合うことが、豊かな生き方への一歩なのかもしれない。
気になった本を手に取り、ローソファにぐっと腰掛ける。階下から聞こえてくるコーヒーを淹れる音に耳を澄ませ、ふわりと漂う芳醇な香りを楽しむ。店主のお気に入りの雑貨や本に囲まれたこのくつろぎの空間には、日常の喧騒を離れ、自分と向き合える静かな時間が流れている。

基本情報

住所 大垣市中川町2-1088
TEL 0584-71-8302
営業時間 9:00~17:00(LO16:30)
定休日 日、月曜
駐車場
URL https://www.kissa-entowa.com/
SNS
掲載した情報は2021年6月9日時点のものです。
aun78号
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2020年12月25日発行(年4回発行)
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