喫茶

ハミングバード

ハミングバードの店主夫妻

一人でじっくり、二人でゆらり。一杯のコーヒーに身を委ねて
青空に映える白くて可憐な建物が、集落の一角に立つ。金子知広さんと明穂さんが自宅の隣に開いた『ハミングバード』だ。店内は白壁や古材で作られたシンプルな空間に、三角形のランプや季節の花が色を足す。丹念に形作られた、静かな美しさがある。「コーヒー一杯で、この場所に自分を落ち着かせてもらえたら」とほほ笑む明穂さん。料理人の知広さんと、雑貨や本が好きな明穂さんは20代で結婚し、ともに過ごすうち「美味しいものが好き」という共通項から、いつしか喫茶店開業の夢を抱いた。
ハミングバード内観
店の根っこには、二人が深く惚れ込むコーヒーがある。「コーヒーは産地でこんなにも味が変わると知って、味覚が広がったような感動を覚えて。それを伝えたい」と二人。ここで味わえるのは、ブレンドされたものではなく、単一農園の豆で淹れるコーヒー。その日に適した粗さで豆を挽き、豆と湯の量、温度、時間まで計り、ぐっと気持ちを込めてドリップする。その一杯は、豆本来が持つコクや苦味、酸味、甘みが歪むことなく直に舌に届き、心地よさまで感じる。
「豆は鮮度が重要なんです。四季でも味が変わるんですよ」と知広さん。焙煎はそのコーヒーに引き合わせてくれた、師と仰ぐ「待夢珈琲店」の今井利夫さんに依頼する。コーヒーを起点に、素材を大切にする姿勢はすべてに及ぶ。豆乳のホットケーキなど中津川産や体に優しい材料で、コーヒーに合わせたい一皿を、誠実に作る。
ハミングバード
入り口横にある二人席は、ちょっとした特等席だ。目の前には知広さんがドリップする姿。こぽこぽと水音が響き、何とも豊かな香りが立ち上る。「この席は少し籠もれるように半個室っぽくしたんです。必ずここに座る方や書きものをする方も」と明穂さん。実は店にはそうやって、一人で、あるいは数人で落ち着けるよう、少しずつ工夫が凝らされている。二人が心を込めたものが詰まった場所。だから今日も、この店であの一杯に浸りたいと思う。

基本情報

住所 中津川市茄子川1978-11
TEL 070-8400-7175
営業時間 9:00~18:00
定休日 水・木曜
駐車場 8台
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掲載した情報は2017年3月15日時点のものです。

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