志乃多゙や
しのだや
「毎日来れるように」。100余年続いてきた長良の食堂
「100年以上前、祖母が開いた頃から大衆食堂やったね」。3代目の篠田康明さんが『志乃多゙や』の歴史を辿る。店が立つ旧高富街道は、かつて北部から中心部を結ぶ主要道路だった。「馬車で荷物を運んだ帰りに客が寄ったんやろうね」。町の食堂たる姿は今も変わらない。
「一度増やすと減らせんね。上から順番に頼む人もおるよ」と話すメニューは100種類以上。初代の時代の素うどんから始まり、父の兼市さんはオムライスやテキライスなどを、康明さんは自家製麺や焼肉定食などを加えていき、現在も増加中だ。「家では同じものができん」と常連に言わしめる、素朴だが丁寧に作られる味は引き継がれてきた。例えばオムライスは、隠し味のザラメと、親戚の肉屋から仕入れるラードが要。だしは3軒の削り節をブレンドし、昆布は利尻島の最高級品を使う。康明さんが出前に出る昼は、「姉がガス台の前、女房は釜の前」を守る。レシピは3人の頭の中。
増え続けるメニューも、ほっとする味わいも。そして、お姉さんの笑顔や奥さんの可愛らしい声での見送りも。『志乃多゙や』ではそれが日々、繰り返される。「毎日、来れるように」。そんな思いで100年以上、食堂の心意気が受け継がれてきたから。
基本情報
住所 | 岐阜市長良福光2666-3 |
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TEL | 058-231-2752 |
営業時間 | 11:00〜21:00 |
定休日 | 6の付く日(土日の場合はその前後) |
駐車場 | あり |
掲載した情報は2013年12月12日時点のものです。