La Plage

ラ・プラージュ

ショーケースに並ぶのは誰かを笑顔にするお菓子たち

真っ青な扉を開くと迎えてくれる温かな笑顔。厨房から少し照れた様子で顔を覗かせるのはオーナーシェフの堀田悟さん。20歳から京都の「マールブランシュ」で修業し、人生の伴侶となるさつきさんと出会う。京都宝ヶ池プリンスホテル、神戸ベイシェラトンで経験を積み、独立。平成6年に夫婦で岐阜市日野に店を構え、7年後に現在の大垣市へと移転した。

寡黙で職人気質な悟さんと、はんなりとした京都弁が残る朗らかなさつきさん。「20年以上、シェフと一緒に店を守り、良い時も悪い時も乗り越えてきました。どっちが倒れても駄目だった。だから、夫婦というより“同志”という感じかな」。そんな二人を慕い、若きパティシエールも嬉々として働く。

ケーキには店の個性、つまり作り手であるパティシエの人柄や想いが如実に表れる。生真面目さを物語る艶やかなザッハトルテ。旬の果実の味を真っ直ぐに生かしたタルト。複雑な味の組み合わせを優しく調和させたケーキ。良い素材にこだわるからこそ、風味が際立つ焼き菓子。一見、どれも素朴に思えるが、見えないところにきちんとプロの仕事と手間が施されている。気取らず毎日でも食べたくなる。自分や誰かを笑顔にしてくれる。そんなお菓子がここから生まれている。