心尽くしのもてなしと粋な創作和食を楽しむ『楮』(岐阜市)
「おいしい和食が食べたい!」そんな時におすすめしたいのが、岐阜市にある創作和食の名店『楮』です。旬のおいしさを詰め込んだコースがリーズナブルにいただけると評判です。今回はランチをいただいてきました♪
スタッフ全員で作り上げる居心地の良い空間
金神社の東側の柳ケ瀬商店街から延びる細い通り沿いにお店はあります。
暖簾をくぐると、「いらっしゃいませー!」と明るい声が出迎えてくれます。店内のテーブル席と半個室の掘りごたつ席、カウンター席は、年配のご夫婦や家族連れ、カップルなどであっという間に満席に。
丁寧な料理の説明や席ごとの温度管理などから、お客さん一人一人を大切にしていることが伝わってきます。そんな心配りの行き届いた接客も『楮』の魅力の一つです。
素材の深い滋味を感じる一皿一皿
お昼にいただけるのは、二十四節季にならい、約2週間で変わるコース。取材日は12月中頃だったので、「大雪」の献立でした。
まず前菜は“雪”をイメージした「連子鯛かぶら蒸し」。具材の上にカブのすりおろしをかけて器ごと蒸し、とろみあんをかけたもの。すりおろした白いカブのふわふわとした食感と、銀杏やほうれん草、連子鯛の切り身など次々と現れる具材の数々に、食べ進めるのが楽しくなります♪「寒いなか来ていただいたお客様に、まずは冷えた体を温めていただきたくて、前菜はあたたかな椀物をお出ししているんですよ」と優しい笑顔で話してくれたのは店長の藤井正恵さん。体だけでなく心までぽかぽかと温かくなりました♪
「鮭 胡麻豆腐の椀」、「りんご白和え、春菊かき揚げ」と続きます。胡麻豆腐は、少し表面を炙ることで香ばしさがプラスされ、ごまの香りがより豊かに感じられます。「りんごの白和え」は、クリームチーズのようになめらかな豆腐に旬のりんごを和えたもの。「フルーツに合うよう豆腐には隠し味を入れているんですよ」とメインキッチンの松浦さんが教えてくれました。口の中に広がるフルーティーな味わいが、気持ちを華やかにしてくれます。
メインは「鰆の柚子煮」。爽やかなゆずの風味が魚の甘味を引き立たせています。「食材の味を最大限生かすには下準備が大切です。同じ食材でも調理法や味付けによって細かく変えているんですよ」と松浦さん。鰆は前日から塩水に浸すことで臭みを抜くだけでなく、直接塩を振ったときよりも均等に塩分が行きわたるのだそう。そのひと手間が素材の旨みを引き出すことにつながるのですね。
締めの「さつまいもご飯」は量を少なめ、普通、多めから選ぶことができ、今回は普通を注文しました。しかし、あまりのおいしさに多めにしなかったことをすぐに後悔(笑)。さつまいもの甘みはもちろん、ほくほくとした食感がしっかりと感じられ食べ応えも十分。それもそのはず。生のまま一緒にご飯と炊くと熱で溶けてしまうので、一度蒸して甘みを引き出し、さらにそれを揚げてからご飯に混ぜることで、食感を残しているそうです。馴染みのある食材の新たなおいしさに出合えるのもこの店の魅力♪
そしてデザートには「白玉ぜんざい」。ふわふわの大きな白玉が入っています。温かいぜんざいには、「少しでも体をあたためて帰ってね」という優しいメッセージが込められているそうですよ。
コースを食べ終わった時に、器の美しさがふと気になり尋ねてみたところ、なんと陶器は全て料理長の市橋さんが、ご自身の所有する窯で手作りしたものだそう!和食を知り尽くした料理長が生み出した器だからこそ、盛り付けられた料理がより映えておいしそうに見えるのですね。皆さんも訪れた際にはぜひ器にもご注目ください♪
これからも『楮』らしく
現在店の周りでは金公園の再整備工事や再開発ビル「柳ケ瀬グラッスル35」建設の真っ最中で、今年の春に完成予定。「新たなお客様にも、いつも来てくださるお客様にも、また来たいと思ってもらえるような店でいられるよう、これからもスタッフ一同励んでいきたいです」と藤井さん。ますます活気にあふれている様子が目に浮かぶようで、私も楽しみです♪
おいしい和食と丁寧な接客に心も体もすっかり元気になりました。魅力あふれる『楮』にぜひ足を運んでみてくださいね。
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『楮(本店)』の基本情報
住所 | 岐阜市八幡町35-2 アークパーク八幡1F |
営業時間 | 11:30~14:30(LO13:30) 、18:00~終了時間は日によって異なります |
定休日 | 月曜 |
TEL | 058-263-7799 |
WEB | https://kouzo-mino.com/ |
@kouzo_7799 |