くいしん坊
くいしんぼう
手間を惜しまず、美味しい洋食を
テーブル席でメニューを眺める若いカップルや仕事帰りの会社員。奥の座敷では小さな子ども連れの家族が賑やかに卓を囲んでいる。洋食屋『くいしん坊』は今日も満席だ。
コック服に身を包んで厨房に立つ安江孝治さん。京都ホテル(現京都ホテルオークラ)や岐阜グランドホテルでフレンチシェフを務め、34歳で独立。「当時は店の前の岐大バイパスもまだ2車線で、周りも田んぼばっかり。店もなかったね」。
そこで、「看板に馴染みの深いとんかつやハンバーグって書いてあれば、お客さんが来てくれるかと思って」と、洋食屋を始めることに決めた。
開業から44年。メニューは殆ど変わっていない。かにコロッケなど18種類の定食にシチューやカレー。モットーは、いい材料を使い、手間をかけ、味を変えないこと。
例えばハンバーグは、選び抜いた和牛の赤身をスライスし、半冷凍にしてからミンチにする。そこに少なめのつなぎを混ぜ、ごく軽く捏ねて成形し、注文ごとに付きっきりで火加減を確かめながら焼く。「手がかかるんですわ。でも、そういう手間があるから美味しくなる」。
例えばハンバーグは、選び抜いた和牛の赤身をスライスし、半冷凍にしてからミンチにする。そこに少なめのつなぎを混ぜ、ごく軽く捏ねて成形し、注文ごとに付きっきりで火加減を確かめながら焼く。「手がかかるんですわ。でも、そういう手間があるから美味しくなる」。
皿に盛られた大きなハンバーグは、箸で軽く切れるほど柔らかく、噛みしめると肉の旨みが口いっぱいに広がる。客の胃と心を満たす、ずっと変わらない味。「親に手を繋いでもらって来てた子が自分の子どもを連れて来てくれたり、何年振りかで来てくれた人が“変わらんね”って言ってくれたり。そうやってお客さんに喜んでもらえて、嬉しいね」。
今は23年前からともに厨房に立つ息子の寛智さんが2代目を継いでいる。親子で守り続けるボリューム満点の洋食を求めて、くいしん坊な客がまた一人、扉をくぐって現れる。
基本情報
住所 | 岐阜市茜部菱野1-16 |
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TEL | 058-274-4488 |
営業時間 | 11:00~LO14:20、17:00~LO20:20 |
定休日 | 金曜 |
駐車場 | 23台 |
掲載した情報は2019年6月12日時点のものです。