ドライフラワー専門店
と季花
ときはな
暮らしに優しく寄り添う、時を止めた花々
岐阜市を東西に走る大通り沿いに面したビルの1階にドライフラワー専門店『と季花』はある。黒いアンティーク調の扉を開くと、木箱からぽこぽこと顔をのぞかせる紫陽花、白い壁にかかる黄色の小さな花が鮮やかなミモザのリース、シックな色合いの花とグリーンでまとめられたスワッグなど、彩り豊かな花たちが咲き誇る。
幼い頃からものづくりが好きだった店主の上野真由美さん。5年前、ふと思い立って一輪のバラを干したことがドライフラワーとの出合いだった。生花よりも色濃く発色し、きゅっと締まった姿。水分が抜けてからも独特の美しい色合いと形を保ち、呼吸をして生きている。その健気さに心を打たれ、愛おしく思った。
風合いや色合いだけでなく、乾くとつぼむもの、開くものなど生花の時とがらりと表情が変わる。その予測できない変化の面白さにのめりこんでいった。例えば赤いバラは、乾かすと黒くなってしまう。自分が納得のいく赤色にするために、何種類ものピンクのバラを試し続けた日々。花の選定から乾燥具合の見極めなど、数えきれないほどの花々で試行錯誤を繰り返し、独学で技術を身に着けた。
友人や知人から頼まれ、感性の赴くままに作ったアレンジメントは口コミを中心にじわじわと評判を呼ぶ。「自分の作った花でもっとたくさんの人にドライフラワーの美しさを伝えたい」。趣味の域を超え、アトリエを兼ねた店を開くという着想に至るのは自然な流れだったという。
そして令和元年、清住町に小さな店を構える。着実にファンを増やしたが、よりドライフラワーに囲まれた場所にしたいと思い切って鹿島町に移転。店内にはオーダーの相談やアレンジメントのワークショップができるスペースのほか、ドライフラワーとアンティーク家具を配したレンタルフォトスペースを設けた。「プロカメラマンでなくても、入学祝いやマタニティフォトなど、誰でも気軽に利用してもらいたいです」と上野さんは微笑む。ドライフラワーの魅力を体感できるこの空間は、訪れる人に特別な思い出を与えてくれるだろう。
店名の『と季花』には季節の時を止めるという意味が込められている。「長く綺麗な姿を残してくれるドライフラワーとのゆったりとした暮らしを楽しんでもらいたいです」。
ドライフラワーは丁寧に扱えば、その美しさを1年以上保つことができるという。日常生活の中で、飾り付けたお気に入りのリースやスワッグにふと目を向ける時、花と出合った頃の思い出と、月日の流れを感じる穏やかな時間にじんわりと浸るのだ。
花の命を慈しむ上野さんの優しい気持ちが宿った花々は、慌ただしく過ぎていく日々の暮らしにそっと寄り添ってくれる。
ドライフラワーは丁寧に扱えば、その美しさを1年以上保つことができるという。日常生活の中で、飾り付けたお気に入りのリースやスワッグにふと目を向ける時、花と出合った頃の思い出と、月日の流れを感じる穏やかな時間にじんわりと浸るのだ。
花の命を慈しむ上野さんの優しい気持ちが宿った花々は、慌ただしく過ぎていく日々の暮らしにそっと寄り添ってくれる。
基本情報
住所 | 岐阜市鹿島町8-7-1 ビラシャトルギフ1F |
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TEL | 090-6611-1087 |
営業時間 | 金曜13:00~17:00、土・日曜11:00~18:00、火~木曜は予約制 |
定休日 | 月曜、祝日 |
駐車場 | 2台 |
URL | https://www.tokihanashop.com/ |
SNS |
掲載した情報は2022年4月19日時点のものです。