軽食スワン

自分らしい時間が過ごせる夜カフェ
陽が傾きだんだんと暗くなる時間、岐阜市役所の近くに建つビルの1階に温かな明かりが灯る。昨年9月、ひっそりとオープンした小さなカフェ『軽食スワン』だ。「地元の人が集うような、海外の路地裏のカフェテリアをイメージしました」と人懐っこい笑顔を見せる武田峻さん。

実家がレストランだという武田さんは、幼い頃から厨房に立つ両親の姿を見て自身も料理の道に進もうと決意。大学卒業後は、東京のレストランや岐阜のカフェなど数々の店で経験を積んだ。強く印象に残っているのは、岐阜のミュージックカフェバーで働いた時のこと。店長が作り出す独創的な料理に心奪われ、食材の斬新な組み合わせ方やスパイスの使い方を好奇心の赴くままに学んだ。やがて厨房を任されるようになり、自らのレシピで客に振る舞うように。「一から自分で作ったものをお客さんに喜んでもらう嬉しさを、初めて実感しました」。

だからこそ、きちんと手間をかけるのが信念だ。スイーツのレシピは、フランスの伝統的な菓子を参考に独学で試作を重ねて考案。「バナナブレッド」は、真っ黒になるまで熟したバナナと発酵バターを使い、深みのある甘さを出す。提供の直前に生地の表面をカリッと焼くことで、キャラメルの香ばしさを際立たせる。

「せっかく自分の店を持てたんだから」とスイーツのほか、食事のメニューもすべて手作りにこだわる。

仕事帰りに夕飯を食べたり、友達とお喋りしたり、コーヒーを飲みながら一人で読書をしたり。広くはない店内は、つい長居してしまう居心地の良さがある。「いろんな人に自由に過ごしてほしい。そんな日常の憩いの場になれば」。武田さんは今日も、温かく客を迎え入れる。
基本情報
住所 | 岐阜市高岩町30 |
---|---|
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 不定休 ※Instagramにて要確認 |
SNS |
掲載した情報は2020年3月11日時点のものです。
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