珈琲専門店
ル・モンド

安らぎの時間が流れる純喫茶へ
殿町の本通から北に入った小路に、昭和の風情漂う『珈琲専門店 ル・モンド』がある。

扉を開けた先には、重厚感のある木造の装飾、レンガのアーチ飾り、モケット織のソファ、レトロなランプシェード。映画のワンシーンのような空間が広がっている。「やるからには数年で飽きるような店は作りたくなかったね」と話すマスターの長谷川増雄さんが、細部にまでこだわった古き良き欧州風の内装だ。

創業は昭和50年。若い頃からコーヒーが大好きだったという長谷川さん。東京で訪れた専門店に漂うコーヒーの香り、ホッとする雰囲気が記憶に残っていた。経営していた繊維関係の会社を畳み、独学で知識を蓄えて、30歳の時に店を構えた。当時、岐阜では珍しかった珈琲専門店はすぐ繁盛し、週末には行列ができたという。

コーヒーは昔ながらのサイフォン式。常連客と談笑して煙草を燻らせながらも絶好のタイミングは逃さない。「全く同じ味に淹れることは難しいね。コーヒーは時間、火加減、メンタルに大きく左右される繊細なもの。少し待ってもらってでも美味しい一杯を飲んでほしい」。メニューには世界各国の珍しいコーヒーも並ぶ。本場のアイリッシュウイスキーを使う「アイリッシュコーヒー」。客の目の前で引火させてアルコールを飛ばすパフォーマンスは、この店の名物だ。
豆は開店当初から上島珈琲のものを使用。「焙煎はプロに任せて、その分、僕はその豆をいかに活かして上手に淹れるのかを追求したい」。
豆は開店当初から上島珈琲のものを使用。「焙煎はプロに任せて、その分、僕はその豆をいかに活かして上手に淹れるのかを追求したい」。

今日も店ではマスターとの会話を楽しむ常連客、馴染みのサラリーマン、買い物帰りに休憩をする婦人らが各々の時間を過ごす。昭和の純喫茶の佇まいを残すノスタルジックな雰囲気が店を包み込み、ゆっくりと時を刻む。外のざわめきから離れ、ここにしかない安らぎを求めてやって来る客を、歴史を重ねた扉がカランと音を立てて迎え入れる。
基本情報
住所 | 岐阜市殿町1−4 小栗殿町ビル1F |
---|---|
TEL | 058-263-6036 |
営業時間 | 8:30〜18:00 |
定休日 | 年中無休(1月1日・2日、盆を除く) |
駐車場 | 3台 |
掲載した情報は2013年12月14日時点のものです。
PICK UPおすすめ記事
-
グルメ
- かめやま
居酒屋が立ち並ぶ賑やかな玉宮町から一本西に入った静かな通りに、その店はある。看板も暖簾もないが、まだ日も暮れぬうちから客がひとり、ふたりと現れ、やがて『かめやま』はいつもの活気を帯びる。
-
グルメ
- 桃花館
ちょっと贅沢なランチに舌鼓を打つ母娘。毎年、互いの誕生日を祝い合う夫婦。柳ケ瀬にある和洋創作料理店『桃花館』では皆、美しい一皿を目の前に表情を緩ませる。
-
グッズ
- 雑貨屋コルリ
心が浮き立つカラフルな雑貨に彩られた店内。黒い壁に映えるビビッドな置物や動物のお面、遊び心のある文具、個性的な絵柄のカバンやアクセサリーたち。思わず笑みがこぼれる、楽しい『雑貨屋コルリ』の世界へ。
-
カルチャー
- 郡上おどり・白鳥おどり
夏の郡上八幡。夜の帳が降りる頃、通りに小気味の良いお囃子と踊り唄が響き始める。浴衣の裾をひるがえし、下駄を高らかに鳴らして踊りに興じる人々。
-
レジャー
- マウンテンライフ飛騨
馬瀬の自然に魅せられたロッキー大崎さんが、山中の森林にコツコツと手を加えて創り上げたアスレチックパーク「森のニンジャ」など、さまざまな思い出深い体験ができる。
