SIKAKU／四角商店

オーナーの佐久間健太郎さんは、大垣市にある鉄工所の3代目。この鉄工所は、コンピューターで制御された自動加工ではなく、汎用機を操作し、手仕事で鉄を加工。経験と感覚がものを言う、精密さが求められる特殊部品の製作を得意とする。佐久間さんは、その鉄に対する豊富な知識と確かな技術を活かし、3年ほど前から「より多くのお客さんと繋がりたい」と、家具や什器の製作を開始。オリジナルブランドを立ち上げ、今年2月にこの店を構えた。

ヴィンテージ風に加工した木材と古材に鉄製の脚を組み合わせたダイニングテーブルや棚。鉄素材には加工や溶接跡をあえて残し、機械には真似できない手作りならではの味を出す。華美な装飾を施さず、無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが、その素材が本来持つ“かっこよさ”を引き出している。

木材や本革、帆布といった素材の選定から設計までをすべて佐久間さん自身が行うため、価格も手頃で、使い手の細かな要望にも柔軟な対応が可能だ。「店に並べている商品はあくまでサンプル。それを見ながら、板の色はこうしたいとかサイズはこれくらいって、気軽にオーダーしてほしい。疲れて帰ってきて落ち着く部屋の家具が、この店で作られたもので、その人だけのものって思うと嬉しくなる」。
この場所で出逢う、他にはない自分だけの家具。それは人生を共に歩むパートナーのように、毎日の暮らしにそっと寄り添ってくれる。