食を通して地域の健康を守るコミュニティスペース『カムカムスワロー』(岐阜市)

※掲載内容は2024年8月6日時点のものです。

岐阜市早田にある『カムカムスワロー』。おいしくて体に優しいモーニングやランチが食べられると人気のカフェです。さらにカフェの枠にとらわれないさまざまな取り組みも行っているそう!早速取材に行ってきました♪

管理栄養士監修!体に優しい健康ランチ

店内はガラス張りで明るく、木のぬくもりを感じられる、とてもおしゃれな空間。ここで食べられるランチやモーニングは、あの人気店「アジャーラー」とカムカムスワローの管理栄養士が共同監修した、健康に配慮した内容になっています。というのも、ここを運営しているのは隣にある「近石病院」なんです。

耳の聞こえない方も働いているため、旗を振ってスタッフを呼び、指差しで注文。メニュー表は誰にでも見やすく分かりやすいデザインになっています♪

骨活ランチ/1,200円(税込)

ランチは、体を温める作用がある生姜を使った「温活丼」、高タンパク質の鶏むね肉をメインにした「筋活ランチ」、カルシウム豊富な「骨活ランチ」の3種類。一番人気は、シシャモを丸ごと1本使った春巻きがメインの「骨活ランチ」だそうです。パリパリとした皮と魚卵のツブツブ感が楽しい♪付け合わせの筑前煮のシイタケに含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を促進してくれます。
「こちらのランチメニューは嚥下調整食にも対応しているんですよ」と話してくれたのは管理栄養士の熊﨑さんと、広報課長で言語聴覚士の蛭牟田さん。嚥下調整食とはどういうものなのか、それを提供するに至った思いを伺いました。

「食べる」を通じて医療と地域をつなぐ

左)蛭牟田さん、右)熊﨑さん

「ここは誰もが気軽に食事を楽しめるカフェ、そして病院スタッフが地域の方たちと交流できるコミュニティスペースなんです」と蛭牟田さん。嚥下障害を抱える人は国内で約100万人に上るといわれますが、外食ができず、食事は自宅で済ませるしかないという現状があります。その結果、出かけるのがおっくうになり、社会参加できず孤立してしまうケースが多いそうです。

病院の理事で、歯科医師の近石壮登さんが訪問診療の現場で目にしたそのような状況をなんとかしたいと考え、設立したのがこの場所です。噛む力や飲み込む力といった嚥下機能が低下した方も食事を楽しめるように、食材を刻んだり、ペースト状にしたり、ドリンクにとろみをつけたりと、症状に合わせて調理した嚥下調整食を提供しています。

嚥下調整食の「骨活ランチ」※前日までの予約推奨

先ほどの「骨活ランチ」も嚥下調整食にできます。「味はもちろん、彩りの良さと食材の形を保つことで食べる楽しみを感じていただけるよう工夫しています」と熊﨑さん。友人や家族と同じものが一緒に楽しめると好評なのだそう♪
また、「機能強化型認定栄養ケア・ステーション」を併設しているこの店は、管理栄養士と栄養士が常駐しています。嚥下に限らず、摂食障害や体重減少など、食・栄養に関するさまざまな悩み事の相談にのってもらえます。普通なら病院やクリニックにかからないと受けられない栄養相談が気軽にできるのはありがたいですね!

店内では、栄養講座や介護予防講座、マルシェなどのイベントも開催。取材日には、カフェの店長で、聾者のちか子さんによる手話講座が開催されていて、参加者の皆さんはとても楽しそうでした♪

「地域の方々の健康を守る拠点として、嚥下障害の方もそうでない方も暮らしやすいインクルーシブな社会を目指して取り組んでいきたいですね」と蛭牟田さん。現在、嚥下調整食を提供できる飲食店を増やすためにレトルトパウチを開発中だとか。さらに10月には岐阜市善光寺で、嚥下食にまつわるイベント「岐阜くらしたい共創フェス」の開催を予定しています。
食事を楽しむのはもちろん、栄養・食事の相談やイベントにも、ぜひ気軽に足を運んでみてくださいね♪

 

『カムカムスワロー』の基本情報

住所岐阜市早田大通2-8-1
営業時間9:00~17:00(LO16:30)
定休日木曜
TEL058-216-3333
駐車場11台
WEBhttps://comeswa.jp/
Instagram@come_come_swallow
@come_come_swallow_cafe

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