岩田屋豆腐店
※閉店しました
夫婦ふたりで営む小さなまちの豆腐屋。
早朝6時。開店を待っていたかのように、一人、二人と客がやってきた。店先で親しげに言葉を交わし、出来たての豆腐や油揚げを買っていく。一昔前の日常にあふれていた懐かしい光景が、静かな住宅街で繰り広げられている。
梅林公園から西へ向かうと、まもなく現れる小さな木の看板。『岩田屋豆腐店』は、創業60年の昔ながらの豆腐屋だ。小さな間口をのぞくと、岩田さん夫妻が穏やかな笑顔で迎えてくれる。
梅林公園から西へ向かうと、まもなく現れる小さな木の看板。『岩田屋豆腐店』は、創業60年の昔ながらの豆腐屋だ。小さな間口をのぞくと、岩田さん夫妻が穏やかな笑顔で迎えてくれる。
深夜1時。勝治さんはもう作業場に立っている。前日に仕込んでおいた大豆を機械にかけてすりつぶし、豆乳を搾取。開店までに毎日200丁余りの豆腐を作る。
揚げ物は生子さんが担当。一つひとつ丁寧に手で丸める五目揚げは、ふんわりと優しい食感が評判だ。
「手間や時間がかかっても、自然のままの美味しさが味わえる豆腐を作りたい」とふたり。にがりの量は最小限に、各工程は可能な限り手作業で。出来上がりを最も左右する水は、長良川の伏流水を井戸から汲み上げる。「大豆はとても繊細で、長年作業を繰り返していても決して同じようには仕上がらない。難しいけれど、そこが面白いところかもしれないね」。
「手間や時間がかかっても、自然のままの美味しさが味わえる豆腐を作りたい」とふたり。にがりの量は最小限に、各工程は可能な限り手作業で。出来上がりを最も左右する水は、長良川の伏流水を井戸から汲み上げる。「大豆はとても繊細で、長年作業を繰り返していても決して同じようには仕上がらない。難しいけれど、そこが面白いところかもしれないね」。
雪のように白く滑らかな断面、口いっぱいに広がる大豆本来の風味と甘み、舌の上でほろりと崩れる柔らかさ。真心が込もった手作りの美味しさを求めて、市内近郊はもちろん、遠方から車を走らせてくる常連客も多い。
30歳を過ぎ、商社勤めから一転、父の跡を継いだ勝治さん。「ここまでやってこられたのは、ふたりだったから。『ここの豆腐じゃないと』と言ってもらえる限り、これからも作り続けていきたいですね」。支え合った27年間を振り返り、生子さんとふたり、顔を見合わせて微笑んだ。
基本情報
住所 | 岐阜市寺町18-2 |
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TEL | 058-246-9515 |
営業時間 | 午前中のみ |
定休日 | 日曜、祝日 |
駐車場 | 4台 |
掲載した情報は2009年6月3日時点のものです。